本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は日曜日に府中牝馬ステークス(GIII)としらさぎS(GIII)が行われます。その中から東京競馬場で行われる府中牝馬Sを取り上げます。まずは過去の傾向から。
昨年までの府中牝馬Sはエリザベス女王杯(GI)の前哨戦として秋の東京で開催されていましたが、今年からマーメイドS(GIII)の条件を引き継ぐ形で6月に開催が変更。さらに、負担重量もハンデキャップに変更となり、装いを新たに開催される府中牝馬S。
過去10年の府中牝馬Sは秋開催で今回とは時期が違いますので、ここでは過去10年に6月の東京芝1800mで行われた重賞(計10レース)を参考に、今年の府中牝馬Sを紐解いていきたいと思います。
データ対象の10レースでの前走4角位置別成績を見ていきます。データ対象の10レースでは前走4角8番手以内の馬が8勝2着7回3着10回と良績を残しています。実際のレースでも4角8番手以内の馬が好成績となっています。重賞に出てくるような馬は能力が高いため、前へ行った馬が簡単にバテることはありません。直線の長い東京が舞台ではありますが、4角である程度の位置につけていることが好走の鍵と言えそうです。
前走4角9番手以内の馬は2勝2着3回と5頭が馬券圏内に好走。この5頭の内、4頭が前走で上がり2位以内を記録し末脚の威力を十分に示す走りを見せていました。前走4角9番手以下の馬については、そのレースで決め手の鋭さを証明しているかどうかが重要と言えるのではないでしょうか。
続いては、データ対象の10レースにおける前走着順別成績です。データ対象の10レースでは前走3着以内の馬が4勝2着4回3着7回。前走4着以下の馬が6勝2着6回3着3回となっており、前走で馬券に絡めなかった馬が変わり身を見せるケースが目立ちます。
データ対象の10レースが行われる6月は梅雨時や気温が上がりやすい時期となります。実際、データ対象の10レースの内、5レースが道悪での開催となっています。また、気温が上がることで暑さに強い馬も長所を活かすことができると考えられます。今年の府中牝馬Sでも道悪や暑さへの適性が高そうな馬に注目してみるのも、馬券攻略の鍵と言えるのではないでしょうか。
それでは早速ですが、今週の府中牝馬SでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆異なる強みを感じる本命候補
タガノエルピーダ
前走の阪神牝馬S(GII)では7着に敗れていますが、直線での進路取りが敗因として考えられます。直線では最内を狙うもスペースがなく、外へ進路を切り替えるロスがありました。上がりの速い決着でこのロスがレースの結果に大きな影響を及ぼしたのかもしれません。道中は先団をスムーズに追走できていましたし、重賞でもヒケを取らないことは示す内容だったと言えます。
本馬はデビュー以降、先行力を活かす競馬が目立ちます。この先行力は今週の東京で威力を増すかもしれません。というのも、今週の東京は前週のCコースからDコースに変更されますので、内目の馬場の傷みがカバーされます。内々を通りたい先行馬にとって、使用コースが変更されることは大きなプラスになりそうです。前回の阪神牝馬Sよりも相手関係は楽になっている印象も受けますし、ここは重賞初制覇のチャンスも十分にあるのではないでしょうか。
カニキュル
前走は東京で行われた2勝クラスに出走。レースは少頭数だったこともありスローの上がり勝負となりました。本馬は3番手追走から直線へと向き、楽々と先頭へと立って独走状態となり2着に3馬身半差をつけて快勝。上がりの速いレースはあまり着差がつかないケースも多いのですが、本馬の前走はほとんど追われずにこの着差ですから能力が違った印象です。
これまで8戦3勝2着2回3着1回。東京に限れば5戦3勝2着1回3着1回で複勝率100%となっています。昨年のフローラS(GII)でも上がり最速の脚を使って3着に食い込んでいますし、東京コースへの高い適性を感じさせる1頭と言えます。今回、3勝クラスの身で格上挑戦にはなりますが、ハンデの恩恵が見込めそうですし高いコース適性も活かせる舞台ならば、重賞でも勝ち負けになって不思議はなさそうです。
ウンブライル
23年のNHKマイルC(GI)で2着、24年の阪神牝馬S(GII)で2着など重賞での好走実績が豊富な本馬。その阪神牝馬S後の成績は一息ですが、5走前はGIメンバー相手。4走前は小回りが合わず。3走前は外枠で距離ロスの多い競馬。2走前は前へ行ったことで持ち味が活きず。前走はスタートで出負けし外々回る競馬になっていました。近走はどれも敗因が明確ですし、力負けと判断するのは早計と言えそうです。
今回はGIで実績を残すコースになりますし、頭数も手頃。ここならばスムーズな競馬ができそうですし、変わり身は十分に見込めそうです。ここは条件戦から格上で挑戦する馬もいるほどで、本馬は実績から格上と言える存在の1頭です。このメンバーならば、能力を出し切ることさえできれば自ずと上位争いに絡んでくるのではないでしょうか。
今回は以上となりますが、枠順確定後の週末版では枠番や調教時計、天候などが加味されます。現時点で浮上しなかった馬が急上昇する事もありますので、そちらも楽しみにお待ちください!