府中牝馬Sに出走予定のラヴァンダ(ユーザー提供:キモリさん)
昨年まで関西地区で行われていたマーメイドSを前身とするが、東京競馬場の芝1800mに舞台を移し、レース名も府中牝馬Sと改称された。ここではシーズン末期の1戦というよりもサマー2000シリーズへのステップレースとして位置づけてみたい。東京競馬場芝1800mは2角の引き込み線からスタートして長いバックストレッチを走るためスローペースからの瞬発力勝負になりやすい。
◎ラヴァンダは今春の阪神牝馬Sでメンバー最速の末脚を繰り出して勝ち馬からハナ+ハナの3着。この時は久しぶりのマイル戦で、やや忙しい印象もあったが、スタートで出遅れながらも力は示した。3歳時には東京コースでフローラS2着、秋華賞4着の実績があり、未だ1勝馬というのが不思議なくらいだが、能力はある。前走は押し出されるように逃げて惜敗したが54kgのハンデは他馬との比較で恵まれたと判断した。
〇カナテープは東京競馬場芝1800m[4-1-1-1]と得意にしている。今年2月の初音Sは前後半が46.4秒〜47.3秒という流れを後方待機。4角を回って追い出されると、残り200m付近で先頭に立ち、最後は11.6秒でまとめて当時未勝利戦から3連勝中だったアドマイヤマツリを抑え込んだ。今回はそのレース以来の実戦となり、重賞初挑戦。決して楽な条件ではないが、53kgのハンデなら食指も動く。
▲カニキュルは東京競馬場[3-1-1-0]で、昨年のフローラSは3着。このレースは前後半の半マイルが47.6秒〜47.0秒と結果的には前残りの競馬となったが、後方待機から、大外をまわりながら出走メンバー最速の末脚で3着まで追い込んだ。まだ精神的に子供っぽさを残すものの、自分のリズムを崩さなければ最後は伸びる馬。52kgのハンデなら、格上挑戦の不安よりも楽しみの方が大きい。
△タガノエルピーダの前走は最後の直線で狙ったコースが開かずに進路を切り替えるロスがあったが、それでも0.4秒差に踏ん張った。ここまでオークス以外は大きく崩れていない堅実派で、忘れな草賞に勝ってローズS4着。上位に評価した馬と差のない印象だ。
都大路Sの勝ちっぷりが良かった△セキトバイーストはチューリップ賞2着、ローズS3着と世代では上位の実績があり、今回のメンバーでも無視はできない。あとはトップハンデでも重賞2勝の△ラヴェルと、最後に今年に入って好調な△シングザットソング。初めての距離になるが、その末脚は魅力だ。