「函館記念・G3」(29日、函館)
10番人気の
ヴェローチェエラが3コーナーからまくり、重賞初勝利を飾った。勝ち時計の1分57秒6は、1988年の函館記念でサッカーボーイが記録した1分57秒8を0秒2更新するコースレコード。初コンビの佐々木大輔騎手(21)=美浦・菊川=に導かれて37年ぶりに記録を塗り替えた。2着に6番人気の
ハヤテノフクノスケ、3着に14番人気の
マイネルメモリーが入り、3連単は69万7990円の大波乱となった。
将来性豊かな4歳馬が不滅の記録を破った。10番人気の
ヴェローチェエラが直線で力強く抜け出し、重賞4度目の挑戦で初のタイトルを奪取した。勝ち時計は、88年の函館記念でサッカーボーイがマークしたコースレコードを0秒2更新する驚異の1分57秒6。現在レースが設定されている芝コースで、唯一残っていた昭和時代のレコードを37年ぶりに塗り替えた。
低評価を覆す横綱相撲だった。中団馬群の後方でじっくり脚をためると、佐々木が「向正面で動くイメージ通り」と振り返ったように、3角から外を通って進出。まくり切って直線入り口で先頭に立つと、一気に後続を突き放し、悠々とゴールへ駆け抜けた。
初コンビで最高の結果に導いた佐々木は「
リラックスして走れていたし、
ゴーサインにも反応してくれた。自信を持って乗れましたね」と汗をぬぐった。驚異のレコードについても「速い時計が続いていましたからね。馬の力でよく頑張ってくれました」と納得の表情で相棒をたたえた。
笑顔で鞍上を出迎えた須貝師は「洋芝は合うと思ったけど、まだ緩い感じで100%自信があったわけではなかった。強いところとやってきた経験値だね」と底力に驚いた様子。続けて「緩さがあって間をあけて使ってきた馬。もう一段上があるし、まだその手前」と成長途上を強調する。
今後は放牧を挟んで札幌記念(8月17日・札幌)へ向かう予定。大レコードを塗り替えて実力を証明した
リアルスティール産駒が、再び北の大地で進化を遂げる。