ラジオNIKKEI賞を制したエキサイトバイオ(撮影・持木克友)
「ラジオNIKKEI賞・G3」(29日、福島)
“新婚
パワー”で
ビクトリーロードをこじ開けた。ゴール前の直線。前方に見えた狭いスペースに、
エキサイトバイオを突っ込ませた荻野極。一気にラ
イバルたちをかわし去り、パートナーを重賞初Vへと導いた。
最内枠を最大限に生かす完璧な騎乗だった。中団インを追走し、直線で徐々に外に持ち出すと、残り200メートル地点でエンジン全開。「手応え通りに間を割って、いい反応をしてくれた」。自身にとっても22年スプリンターズS(
ジャンダルム)以来の重賞3勝目。「やっぱり重賞を獲るのは難しいこと。今は自分ができることをコツコツと続けていくだけです」と喜びをかみしめた。
私生活でも順風満帆だ。先月22日に鹿戸師の長女で
タレントの成瀬琴との結婚を発表。ダブルの喜びとなり「ホッとしています。ケガをしないことが何より大事ですけど、こうやって結果を出せてひと安心。今後も頑張っていきたいです」と口元をほころばせた。
管理する今野師にとっても開業14年目、延べ92頭の出走でつかんだ念願の重賞タイトルだ。「今まではひたすら運がなかった。でも、きょうは枠も運も良かった」と笑顔。今後は放牧へ出す予定で「まだ何も決めていないが、まだこれからの馬。距離もこなせると思う」と期待を込めた。
騎手にとっても、調教師にとっても、馬にとっても、夏の福島が、かけがえのない思い出の舞台となった。