29日の福島5R・2歳新馬(芝1800メートル)は、全兄が22年皐月賞馬
ジオグリフという
ドレフォン産駒の良血
ロスパレドネス(牡、美浦・木村厩舎)が、最後の直線で鮮やかに抜け出して1着。騎乗したルメールは、15年以来の参戦となった福島で10年ぶりに勝利を収めた。
センスの高さが際立った。道中は行きたい各馬を行かせ、中団に構えた
ロスパレドネスは序盤から落ち着き十分。勝負どころでは鞍上のアクションにしっかりと応えて先団を射程に入れると、ノーステッキのまま一気に抜け出し2馬身差の完勝だった。ルメールは「楽勝でしたね。若いから伸びしろがあります。いい勉強になりました。先頭に立って物見をしていたけど、ゴールまでしっかり走ってくれました」と汗を拭った。
土曜から福島で騎乗した名手は、15年ラジオNIKKEI賞(
アンビシャス)以来の当地Vに「やっと勝った。しょうがない」と今年福島10戦目でようやく手にした白星に苦笑い。G1馬の兄も管理する木村調教師は「何とか勝ち切ってくれてホッとしています」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。次戦は馬の状態次第だが、楽しみな一頭が勝ち名乗りを上げた。