◆第60回北九州記念・G3(7月6日、小倉競馬場・芝1200メートル、良)
サ
マースプリントシリーズ第2戦の第60回北九州記念・G3は6日、小倉競馬場で行われ、ハンデ55キロで1番人気の
ヤマニンアルリフラが直線抜け出して重賞初挑戦で初制覇を飾った。3月の2勝クラスから3連勝で、団野大成騎手(25)=栗東・斉藤崇厩舎=は成長を評価。夏の短距離界を盛り上げる存在となりそうだ。
混戦を断ち切った。重賞初挑戦ながら単勝5・7倍の1番人気に支持された
ヤマニンアルリフラ。中団馬群で脚をため、7番手で迎えた直線入り口で、団野が力強く合図を送る。「これは突き抜けるなという手応えで来てくれた」。手綱越しの感触を信じて、
ロードフォアエース、
ヨシノイースターの間に開いたスペースを目指してラストスパート。左ステッキ2発で堂々と抜け出した。
3連勝で重賞初制覇に導いた鞍上は、自身にとってもうれしい今年の初タイトル。「期待通りというか、それ以上のパフォーマンスをしてくれた」と、自厩舎所属で調教からまたがってきた相棒を称賛した。「今年も後半にさしかかるところだったので、焦る気持ちもあった。これからも
ポンポンと勝てるように頑張りたい」と続け、昨年のマイルCS以来の勲章をかみしめた。
北九州記念は08年の
スリープレスナイトを最後に、1番人気馬は16連敗中だった。「去年の暮れからの成長力というのはものすごい」と団野も驚く上昇カーブを描き、そのジンクスを打ち破った。格上挑戦だった昨年12月の2勝クラスで初勝利を挙げると、初Vまでに9戦を要したのがウソのように、その後は4戦3勝。馬体重は前走からプラス14キロで過去最高の496キロ。デビューから40キロ以上増えた。斉藤崇調教師も「すごく(馬体が)立派になってきたなと思っていた。力をつけている」とうなずく。馬体の成長が充実の要因だ。
サ
マースプリントシリーズ第2戦を制し、次に視界に入ってくるのは第4戦のCBC賞・G3(8月10日、中京)だ。「状態を確認して、大丈夫そうならCBC賞も(視野に)ということになる。まだ4歳だし、これからもっとしっかりしてくる」と指揮官。今年の日本ダービー馬
クロワデュノールを出した斉藤崇厩舎から現れたス
プリント界の大物候補が、まだまだ夏を熱くする。(山本 理貴)
ヤマニンアルリフラ 父
イスラボニータ、母ヤマニンパピオネ(父スウェプトオーヴァーボード)。栗東・斉藤崇史厩舎所属の牡4歳。北海道新冠町・錦岡牧場の生産。通算13戦4勝。総獲得賞金は1億399万5000円。重賞初勝利。馬主は土井肇氏。