◆第61回七夕賞・G3(7月13日、福島競馬場・芝2000メートル)
“持っている”としか思えないのが
シリウスコルト(牡4歳、美浦・田中勝春厩舎、父
マクフィ)と田中勝春調教師のコンビだ。2走前の福島民報杯で厩舎の初勝利をいきなりオープンで飾ると、前走の新潟大賞典では重賞初挑戦Vの離れ業をやってのけた。
前、前でレースを運んでしぶとさを生かすタイプ。新潟大賞典の前までは直線が長く決め手勝負になりやすい新潟と中京では5、9着と結果を残せていなかった。ところが前走は絶妙なペースでの逃げ切り。荒れた内側とのちょうど境目あたりを選択するロスのないコース取り、稍重と全てがかみ合ったとはいえ、この舞台での重賞初制覇は想像していなかった。レース前に理想的な戦略をいくら思い描いてもその通りにならないのが競馬だが“運も実力のうち”。重賞の舞台でバチッとはまった初タイトルだった。
今回は最も得意にしている福島。新馬戦と2走前に勝利を挙げ、昨夏のラジオNIKKEI賞・G3では頭差の2着だった。昨秋の福島記念は14着に大敗したが、大外枠からヨレ気味にスタートを切りながらも好位へ。向こう正面で後方の馬が早めに動く形も重なって厳しい展開に。全く持ち味を出せずに終わり、参考外のレースとなった。
最終的な予想はハンデや枠順なども加味して組み立てるが、希少な直近2勝を決めたコンビが話題、実力の両方で主役候補であることは間違いない。