7月9日(水)、川崎競馬場(晴・良)で行われた第29回スパーキングレディーカップ(JpnIII・ダート1600m、出走10頭)は、序盤2番手につけた大井の
フェブランシェが向正面の中ほどで先頭に立つと、JRA勢の追い上げを振り切り、ダート
グレード競走初制覇を果たした。勝ちタイムは1分41秒4。1馬身2分の1差の2着がJRAの
ライオットガール、さらに2馬身2分の1離れた3着争いは3頭の接戦となり、1番人気に支持されたJRAの
テンカジョウが3着、4着が大井の
マーブルマカロン、5着がJRAの
アンモシエラだった。
勝った
フェブランシェは父
リアルスティール、母マイティースルー(母の父クロフネ)の5歳牝馬。大井・藤田輝信調教師の管理馬。JRA3勝クラスから大井に転入、転入初戦となった去年の東京シンデレラマイルを勝ち、前走浦和のしらさぎ賞で重賞2勝目、今回は重賞連勝となった。JRAと地方を合わせた通算成績は15戦6勝。鞍上の金沢・吉原寛人騎手は、前日8日(火)に金沢で行われた金沢クイーン賞に続いて2日連続で重賞を制した。
レース後のコメント
1着
フェブランシェ(吉原寛人騎手)
「とてもいい走りをしてくれて、うれしいです。少し物見をするところがあるので進みが難しく、抑えると引っ掛かったりするので、なかなかコントロールが難しいのですが、上手に走ってくれたと思います。斤量差もありましたので、55キロをしっかり生かしたいと思って、早めに抜け出しました。少し遊ぶところはあるのですが、そこから渋太い馬ですので、何とかしのいでほしいと思いました。本当に頑張ってくれました。最後は頑張れという気持ちで乗っていました。馬もそれに応えてくれました。きょう、このメンバー相手にダート
グレードを獲れたということで、さらに上の
グレードに挑戦して勝ちたいという気持ちになりました」
(藤田輝信調教師)
「(厩舎として)初めてダート
グレードを勝てて良かったです。今日の馬場とメンバーでは難しい展開になると思っていて、吉原騎手に任せていました。前半は折り合いを欠くところがありましたが、ジョッキーが前に出してくれて、あとは斤量が55キロで、他の馬より軽かったので、何とかもってくれ、という気持ちでした。吉原騎手が『1600mまでかな、1800mになるときつい』と話していました。今後についてはオーナーサイドと相談します。体が大きく、よくこれだけの
スピードが出せるなと思っています。前向きなところがあり、前回はゴールを過ぎてさらに1周回るくらいでしたが、今日はゴールを過ぎてすぐに止まったので、力を出し切ったのだと思います」
2着
ライオットガール(笹川翼騎手)
「思った以上に乗りやすい馬です。川崎の1600mはぴったりだと思いますが、距離はもう少し長くても大丈夫だと思います。仕上がりも良かったです」
3着
テンカジョウ(松山弘平騎手)
「跳びが大きく、得意な距離やコースではなかったのですが、負けられないレースではあったと思います。ただ、思った以上に、スタートから反応がつかなかったことが敗因だと思います」
4着
マーブルマカロン(御神本訓史騎手)
「乗りやすい馬です。1、2コーナーで良いところに潜り込めました。流れは良かったです。よく頑張ってくれていると思います。前回も良い競馬をしていますし、小回りは合っていると思います」
5着
アンモシエラ(横山武史騎手)
「敗因は色々と考えられますが、一番考えられるのは夏バテでしょうか。
テンションの高さはありますが、秋と、夏場ではさすがに変わってきますし、汗もすごかったです。牝馬で58キロも厳しかったですし、これで走れたらすごいと思ったのですが、甘くはなかったです。(今日は)逃げたかったのですが、砂を被っていないのに進みたがらず、拒否しながら走っていました。牝馬がこうなると立て直すのは難しいかもしれません。何とか良い方に向かえればいいのですが」
(取材:山本直)