「七夕賞・G3」(13日、福島)
ベテラン柴田大知騎手(48)=美浦・フリー=が、1年7カ月ぶりに重賞のステージに立つ。パートナーの
コスモフリーゲンは全8戦中7戦で手綱を取っており、デビューからタッグを組んで一緒に戦ってきた。レースだけはなく、調教にも積極的に騎乗し、濃密な時間を過ごしてきた相手でもある。そんな相棒と挑む大舞台。全身全霊の騎乗で勝利をつかみ取ってみせる。
この一戦に懸ける思いは強い。
コスモフリーゲンとコンビを組む柴田大にとって重賞挑戦は23年京都2歳S(
コスモエスメラルダ14着)が最後。勝てば20年
ターコイズS(
スマイルカナ)以来、約4年7カ月ぶりのタイトル獲得となる。
近年は騎乗回数が減り、重賞の舞台から遠ざかっていた。柴田大は「焦っていた時期もありました」と振り返る。このままではいけない。そこで初心に返り、調教などで一頭一頭に向き合い、自分のできることをしっかりこなしてきた。「任せていただいた馬を一生懸命にやっています」と前を向く。これまで以上に丁寧に、より真摯(しんし)な対応で取り組んできたなかで出会った一頭が
コスモフリーゲンだ。
弱さがあってデビューは3歳3月と遅かったものの、いきなり3連勝を達成し、前走で3勝クラスを勝ってオープン入り。「この馬に思い入れはすごくあるし、ここまで来たかという感じです」とうなずく。二人三脚で一歩一歩、着実に前へ進んできた。それだけに今回の重賞挑戦は感慨深いものがある。相手は強化するが、「今まで強い相手と戦ってきましたからね」と分析。3勝クラスで負けた4戦の勝ち馬で
リフレーミングと
アドマイヤマツリがその後に重賞を制し、
キングズパレスも善戦している。この比較から重賞で通用する下地は見せている。
レースについては「万全の状態で迎えられそうだし、この馬の力を出し切れるような騎乗をしたいです」と意欲を見せる。かけがえのない相棒と挑む久々の重賞ステージ。48歳のベテランががむしゃらに勝利を目指して突き進む。