オールドファンならうっすらと馬名を覚えているだろうか。歴史的な福島巧者・
フェスティブキングのことである。ちょうど30年前の95年、彼が最初で最後の重賞タイトル獲得を果たした福島開催の関屋記念を振り返る。
95年の関屋記念は、この開催を終えるとスタンド改修となる福島競馬場の芝1700mで行われた。そんな一戦に格上挑戦、それも連闘で参戦したのが
フェスティブキングだった。前年に菊花賞(12着)に出走していたとはいえ、実績では格下も格下。降級戦だった3週前の500万下を勝つと、中2週のラジオ福島賞で連勝を果たし、関屋記念に挑んでいたのだった。それまで福島では4戦4勝の舞台巧者。とはいえ、ここでは荷が重いと思われたのも当然で、12頭立ての9番人気に甘んじていた。
レースは平均ペースで流れた。
フェスティブキングは馬場の荒れていない中団の外目を追走し、勝負所で早めにスパート。迎えた直線、先に抜け出した
インタークレバーとヤシマソブリンをゴール直前で捕らえてゴール。単勝49.5倍の低評価を覆して重賞初勝利、そして鞍上の成田均騎手も平地重賞初勝利を果たしたのだった。
この勝利でオープン馬となった
フェスティブキングだったが、福島競馬場が改修中だったことも影響したのか、その後の6戦は見せ場すらつくれず、ターフを去ることとなった。通算成績は福島で【5-0-0-0】、それ以外で【0-1-3-20】。これほど極端な成績を残す馬は、もう二度と出てこないかもしれない。