「クイーンS・G3」(8月3日、札幌)
雲の切れ間から日が差し込み、気温が上がり始めた午前7時の札幌競馬場。朝の調教を終えた
ココナッツブラウンが、上村厩舎が居を構える「H-3」に戻ってきた。きれいな鹿毛の馬体には張りがあり、洗い場での様子は落ち着いたもの。
その傍らには、
アルマヴェローチェでおなじみの柴原助手。聞けば、栗東では「イレ込みがキツくて、洗い場では常に前後に動いて落ち着きがない」そうだ。この落ち着きこそが“滞在効果”。馬体重も「先週計って466キロ(前走時は450キロ)。レースでは460キロを切るぐらいかな。まあ、数字よりも馬の雰囲気の方が大事。前走時と変わらず状態はいいですよ」と明るい表情を見せた。
23年ローズS5着以来、2度目の重賞挑戦。順調に使い込めず、5歳にしてようやく3勝クラスを卒業した。仕上げ人は「もともと期待していた馬ですが…。骨折などはしたことがないのに、食いの細さもあってなかなかコンディションが整わなかった。(大敗した)2走前も状態がもうひとつだった」と振り返る。
つまり、実力を発揮できるか否かは当日のコンディションと落ち着き次第。心身が整った今なら重賞でも互角以上の戦いが期待できる。1週前には札幌ダートで6F81秒5-38秒4-12秒4の好時計。「週末にも5F70秒ぐらいを乗りましたが、ピリッとしていて競馬が近づいてきたのが分かってきている。このままいい感じで臨めれば」。過去に1、2、1着と結果を出している洋芝。陣営期待の好素材が、北都で開花の時を迎えた。