巻き返しへ向け予定通りに仕上がったピューロマジック(右)=撮影・石湯恒介
「アイビスSD・G3」(8月3日、新潟)
巻き返しへの準備は整った。
ピューロマジックは栗東CWで併せ馬。
オメガナビゲーター(4歳1勝クラス)の直後で気持ちを高ぶらせず、集中力を切らさないように細心のコントロール。ラスト1Fは11秒2の鋭い伸び脚で頭差先着。陣営の狙い通り、冷静さを保ったまま駆け抜けた。
手綱を取った安田師は「併走馬の後ろで姿勢良く、精神面を安定させて気持ちがオンにならないように。半マイルの時計(53秒6)も予定通りでエキサイトさせずに走らせることができた」と満足げな表情を浮かべた。
前走は海外初挑戦となったアルクオーツス
プリント。結果は5着でも大きな収穫があった。あえてスロースタートから抑える競馬を教え込み、今後へ向けた布石とした。「スタートを出過ぎないように、馬の後ろに入れてほしいというリク
エストに対し、マーフィー騎手はその通りの組み立てでレースをしてくれた」。強豪との対戦を見据え、末脚を引き出す感覚を養うことがテーマだった。
新たな戦術を吸収しつつ臨む直線競馬。鞍上にルメールを迎えるが「後ろでしっかりためを利かせ、ゴールに向けて脚を使うことを学ばせてほしい」と名手に期待を込める。昨年の北九州記念以来となる重賞3勝目へ。進化を遂げつつある快速娘が直線1000メートルの電撃戦で、その
スピードと瞬発力を解き放つ。