僚馬に続く!注目の2歳馬を紹介する「Road to 2026」。須貝厩舎は毎年、北海道シリーズで多くの若駒を起用する。10日の札幌5R(芝1500メートル、牝馬限定)は
ベルグランボヌール(牝、父
モーリス)が鞍上・浜中でデビュー予定だ。前開催の函館で同厩の
ショウナンガルフ、
マルガが評判通り新馬勝ち。栗東、函館で乗り込みを重ね、今週末に狙いを定めた。美浦は新潟デビュー予定の
オルネーロ(牡=宮田、父
サトノダイヤモンド)、栗東は中京デビュー予定の
レジーナレガリア(牝=石坂、父
レイデオロ)を取り上げる。
 近年、北海道も暑くなったとはいえ本州と比べれば、はるかに過ごしやすい。海から近い道南の心地よい風に吹かれ、
ベルグランボヌールが順調に稽古を積んでいる。
 6月上旬の栗東入厩後は坂路で3本の追い切りを重ね、ゲート試験に合格。その後、いったん放牧へ。リフレッシュしてから函館にやって来た。1週前追いは洋芝の感触をチェック。ひと足早く先週日曜に札幌芝1800メートル新馬戦でデビューし、3着だった
グロリアスマーチとの併せ馬で負荷をかけた。いっぱいに追われ5F67秒2〜1F11秒4と、しまいしっかり動いて併入。北村助手は「放牧明けでも緩むことなく戻ってきました。順調にメニューをこなしています。1週前に芝で追い切ったことで、いい意味でピリッとしてきました。あとは当週に追い切れば、きっちり仕上がると思います」と万全の態勢を強調した。
 09年開業の須貝厩舎は毎年、北海道シリーズに力を入れ、コンスタントに勝ち星を挙げている。今年は前開催の函館で3頭がデビューし、芝1800メートルで2頭が勝ち上がり。23年セレクトセール当歳部門で2億1000万円(税抜き)の値が付いた
ショウナンガルフは道中2番手から圧巻の7馬身差V。白毛一族の
マルガはハナを切って1分48秒1の2歳コースレコードで3馬身差Vを収めた。素質馬の宝庫と言える厩舎で当然、
ベルグランボヌールも期待を背負う存在だ。
 厩舎の先輩で1歳上の半兄
ショウナンバルドル(父
ブリックスアンドモルタル)は昨夏、札幌で新馬勝ちを収めたものの気性の激しさもあり、2勝目に手が届いていない。その印象があるだけに気性が気になるが「普段からおとなしくて手がかからない」と精神面の安定ぶりを口にした。血統の話題で言えば同厩で20年夏に阪神マイルで新馬勝ちし、サウジアラビアRC、翌年の神戸新聞杯と重賞を2勝した
ステラヴェローチェのいとこでもある。
 牝馬でサイズは420キロ前後と小柄ながら
モーリス産駒らしい発達した筋肉で線の細さを感じさせない。「まだ
コロンとしているけど見た目は大きく映りますね。柔軟性があり、乗り味がいい。
スピードがあって牝馬らしい切れも備わっています。引っ掛かることがなく、操縦性が高い」とセールスポイントを挙げた。2歳G1・4勝の実績を誇る厩舎で、現2歳世代の印象については「全体的にレベルが高い年だと思います。その中でもトップクラスの力を持っているんじゃないかな」と期待十分。出世ロードへ、第一歩を踏み出す。