「エルムS・G3」(9日、札幌)
父
エスポワールシチー譲りの栗毛の馬体を輝かせ、
ペイシャエスがどこかすました顔で洗い場にたたずむ。吉開助手は「美浦だとかんだり蹴ったりがすごいんですけど、今は表情がよそ行き。滞在だと扱いやすくなるんですよね。不思議ちゃんです」と腕にできた傷やあざを指し示した。さすがは重賞3勝馬。内に秘める闘志は並ではない。
今回は
マーチSから4カ月半の休み明けで臨む。陣営は暑さに弱いことを考慮して、早めに札幌競馬場へ移動した。「移動後は若干緩い感じがあったけど、先週(7月31日)の追い切りの後に変わってきましたね。順調に来ていますよ」と避暑の成果を感じている。
「何もかもがうまくいったレース」と評したのが昨年の当レース。体調面は絶好、レース運び、流れもピタリとハマり、
ドゥラエレーデをゴール前でとらえ切って1年8カ月ぶりの重賞制覇を飾った。今年は「気持ちというか雰囲気というか、前向きさがもう少し欲しい感じ」としながらも、「本番に強いというか、レースに行くと毎回こちらが思う以上に走ってくれる。不思議ちゃんです」と今回も想像を超える頑張りに期待する。
コースを問わず、置かれた場所で常に堅実な走りを見せてきたベテランが、連覇という形で、札幌唯一のダート重賞に再びその名を刻む。