05年札幌記念を制したヘヴンリーロマンス(撮影:高橋正和)
どちらかといえば平穏な札幌記念だが、3連単が唯一7桁配当となったのが05年だ。9番人気の
ヘヴンリーロマンスが制し、275万馬券が飛び出した一戦を振り返る。
この年の札幌記念は雨中の決戦となった。1番人気は目黒記念で初タイトルを獲得した
オペラシチー。2番人気は函館記念からの重賞連勝を狙う
エリモハリアー。そして3番人気が前年の桜花賞以来の復活Vを目指す
ダンスインザムードだった。
レースは前半1000mが60秒5の平均ペースで流れた。好位追走の
ダンスインザムード、さらには中団前寄りで流れに乗った
オペラシチーや
エリモハリアーにとっては理想的な展開に思えたが、意外にも勝負所の反応が鈍い。それらを尻目に快調に逃げ粘りを図るのが
コイントス。13番人気の伏兵が押し切るのか!? そう思われた瞬間に突っ込んできたのが赤帽と青帽の2頭だった。外の
ヘヴンリーロマンスと内の
ファストタテヤマ。9番人気と12番人気の競り合いは僅かにアタマ差で外、5歳牝馬の
ヘヴンリーロマンスに軍配が上がった。
ヘヴンリーロマンスは前週のクイーンSが
レクレドールからハナ差の2着。そこから連闘で挑んでの戴冠だった。この後は天皇賞(秋)に直行。14番人気の低評価を覆して勝利し、GI馬の仲間入りを果たすこととなる。繁殖としても
アウォーディーや
アムールブリエ、
ラニなどの大物を輩出。現役時代に勝るとも劣らない輝きを放つことになるのであった。