夏の2歳重賞路線の注目レース、新潟2歳ステークス。新潟競馬場の長い直線が舞台となるため、瞬発力や末脚の鋭さが問われることが多い一戦だ。今年もキャリアの浅い若駒たちが、将来のクラシック戦線を見据えて顔を揃えた。過去のデータを分析し、好走傾向を探っていく。
1.狙いは断然、前走マイルを使った馬
過去のデータを分析すると、前走で今回と同じ1600mを使われていた馬が[8-4-6-30]と、複勝率37.5%の好成績を収めている。一方、今回距離延長となる馬は複勝率9.8%、距離短縮組は26.1%となっており、同距離からの臨戦過程を歩んだ馬に大きなアドバンテージがあることは明らかだ。キャリアの浅い2歳戦では、経験したことのない距離への対応が鍵となるため、同距離組の信頼性は高い。
2.後方からの追い込みに妙味あり
前走のレース内容に目を向けると、4コーナーを10番手以下で通過した馬が[2-1-1-4]で複勝率50.0%と好成績。新潟の長い直線では決め手が生きるため、道中で脚を溜められる後方待機組の期待値が非常に高い。一方で、2番手から5番手を進んだ馬は複勝率15.9%と振るわず、先行力だけでは押し切れない傾向が出ている。
3.前走1番人気は過信禁物
前走で1番人気に支持されていた馬は、新潟2歳Sでは[4-3-1-38]と勝ち星こそあるものの、複勝率は17.4%と低い。さらに単勝回収率38%、複勝回収率28%と馬券的な妙味は皆無だ。人気先行で実力以上に評価されているケースが多く、信頼度は低い。むしろ、前走で3番人気だった馬が複勝率40.0%、複勝回収率103%と好成績を残しており、少し評価を落とした馬を狙うのが面白い。
サノノグレーターは、前走が同距離の1600m戦。そのレースでは4コーナー11番手から鋭い末脚で差し切っており、複勝率50.0%を誇る「4角10番手以下」のデータに完全に合致する。ここでもその決め手は大きな武器になるはずだ。前走5番人気と評価も高くなかっただけに、妙味も十分で本命視したい。