◆第45回新潟2歳ステークス・G3(8月24日、新潟競馬場・芝1600メートル、良)
新潟競馬場で行われた第45回新潟2歳S・G3は、1番人気の
リアライズシリウスがデビュー2連勝で重賞初制覇。2歳G1や来年のクラシックへ、期待が高まる勝利となった。
圧勝という言葉がこれ以上なく似合う走りだった。
リアライズシリウスはスタートで最後方に遅れるも即座に挽回し2番手を確保。2歳馬離れした折り合いの良さを見せながら、残り400メートルで早々と先頭に立ち、後続に4馬身差をつけた。津村の「自分のリズムを大事に、他馬を待たずに追い出そうと思っていた」という戦略と、手塚久調教師が「先頭に立っても自らハミを取る」と評価する強みが見事に合致。勝ちタイム1分33秒4も14年
ミュゼスルタンに並ぶレースレコードタイで、文句のつけようがない。
デビュー前の調教からまたがっている鞍上は「この先に期待ができる走りをしてほしいと思っていました」と振り返るが、これ以上ない回答と言っていいだろう。一方で「ゲートに入るのを嫌がりましたし、課題の残る結果でもありました」とまだ未完成な部分も多い。そのぶん、どこまで強くなるのかと底知れぬ魅力も大きい。
新種牡馬で産駒の重賞勝ち一番乗りとなった父
ポエティックフレアは英マイルG1馬。当馬もデビューから2戦マイルだが、トレーナーは「母の父ステイゴールドだからね」と3冠馬
オルフェーヴルの父の名を挙げ「今後についてはじっくり考えるけど、次は大きいところでもいいかも。(朝日杯FSとホープフルS)どっちかは考える」と距離延長も示唆した。
そして見据える頂点の舞台。「僕もダービーの夢を見てみたいですからね」。まだ勝っていないトレーナーが白い歯を見せれば、鞍上も「調教などで一緒に良くなっていければ上でもやれる素材なので、頑張りたい」と気合を込めた。このレースからは、後のG1ウィナーが多数出ている。夢の“
リアライズ”へ、更なる
パワーアップに期待したい。(角田 晨)
リアライズシリウス 父
ポエティックフレア、母レッドミラベル(父ステイゴールド)。美浦・手塚貴久厩舎所属の牡2歳。北海道千歳市・社台
ファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は3885万7000円。重賞初勝利。馬主は今福洋介氏。