トレセンと村をつなぐために 「美浦村UMAフェスタ」企画者が語る“馬”イベントへの思い

2025年09月02日 08:10

「美浦村UMAフェスタ」の企画者・南川麻綾さん(本人提供)

“トレセンの街”が馬一色に染まる日。茨城県美浦村で「競走馬の里」をモチーフにしたイベント「美浦村UMAフェスタ」が9月23日に開催される。村にとって馬にまつわる大規模イベントは初。企画者である美浦村地域おこし協力隊の南川麻綾さんは、「美浦村の仲間みんなで協力し合って進めた手作りのイベント。第一回目をなんとか成功させたいですし、当日はお客様に楽しんでもらいたいです」と、力強く意気込みを語る。(取材・文 netkeiba編集部)

◇志望動機は裏面までびっしり
 南川さんは地域おこし協力隊として美浦村に住み3年。以前、競馬番組のリポーターとしてJRA美浦トレーニング・センターで取材をしており、その際に知り合った記者から協力隊の話を聞き応募した。志望動機は裏面までびっしり。熱い思いを胸に、村在住の女性に向け寄り添えるような活動をしたいと取り組んだ。

 採用後、特に力を入れたのが女性向けの無料ワークショップだった。そこには村の事情を知る南川さんの思いがあった。美浦村はトレセンで働く方が多く、男性スタッフが北海道など他の地域で知り合い、結婚するケースもあるという。その場合、妻の実家からは遠く離れることになり、新たなコミュニティーづくりも必要になる。

「シンプルに友達作りができる場所があったらと思ったんです。特に故郷から遠く離れて子育てされる方って、1人になりやすい。夫が帰ってくるまでワンオペになったり、自分の悩みを話せなかったり。お子さまも預けられる環境を整備し、ヨガ教室やアイシングクッキー教室をすることで自分の時間を過ごしてほしいと活動しました」

 新たなコミュニティーをつくってほしい、自分の時間も大切にしてほしい。2つの思いを大切にして動いた結果、「私もやってみたい」と参加者が新たなワークショップやイベントを行う例も出てきたという。そして南川さんが当初から希望していたのが、かつての“仕事場”トレセンと村をつなぐこと。それを体現させるのが「美浦村UMAフェスタ」である。

◇騎手や馬とふれあいながら「村の歴史や文化を感じて」
 当日はジョッキーや調教師によるトークショー、木馬を使った乗馬練習体験、騎手とともに巡る美浦村ツアーなど予定されている。「競馬場で見るジョッキーは遠くの存在だと思います。さらに直接話す機会も少ないですよね。当日はジョッキーに教えてもらいながら木馬に乗れたりと、騎手や馬とふれあいつつ、美浦村の歴史や文化を感じてもらえると嬉しいです」。

 加えて美浦村のマスコットキャラクター「みほーす」も参加するゆるキャラ競走も実施。その名も「JC(縄文カップ)」で、実況はラジオNIKKEIの小塚歩アナウンサーが担当する。南川さんは「発走時刻も競馬のメインレースと同じ15時45分を予定しており、実際の競馬に似せて実施します」と笑みを浮かべた。

 見どころ満載の「UMAフェスタ」だが、南川さんにとっては地域おこし協力隊として集大成となる。任期は今年10月末までで、村への思いは募るばかり。「村内でお茶をしていても声をかけてもらえることも多くなりました。私自身、美浦村の一員になれたのかなって思える瞬間が最近結構ありまして。第2のふるさとのような感じがしています」。

 慣れないWebページ制作や多くの関係者らとの会議など準備の日々が続く。「まだ気温の高い日が続きそうですので、暑さ対策などされつつ体調に気をつけて美浦村にお越しください。美浦村の仲間たちや、かわいいお馬さんたち、みんなでお待ちしています」。南川さんは3年間のラストに大きな花火を上げられるよう、最後まで走り抜ける。

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