6月15日 メイショウタバルで宝塚記念を制し武豊(右)、石橋師(左)と喜ぶ松本オーナー
 
 “メイ
ショウ”の冠名で長く日本競馬界を支えてきた馬主で、(株)きしろ代表取締役会長の松本好雄(まつもと・よしお)さんが8月29日未明に膵臓がんのために死去したことが2日、分かった。JRAが発表した。87歳だった。葬儀・告別式はすでに近親者のみで執り行われ、後日お別れの会を行う予定。先月23日に個人馬主として初のJRA通算2000勝という大記録を達成したばかり。06年ダービー馬メイショウサムソンなど、数々の個性派とともに歩み続けた半世紀超える馬主人生。武豊騎手(56)=栗東・フリー=ら関係者からは、悲しみの声が寄せられた。
 公私に渡って親密な関係だった石橋師は「信じたくないというのが本当だけど、残念というか、うまく言葉が見つかりません」と悲しみに暮れながら、胸の内を明かした。
 ジョッキー時代には『青、桃襷、桃袖』の勝負服で数多くの白星をマーク。06年にはメイショウサムソンで皐月賞、ダービーを勝利して牡馬クラシック2冠を達成し、翌年には天皇賞・春を制覇。引退間際の13年1月に
メイショウツバクロで騎手として最後の勝利を挙げると、今度は調教師として、
ツバクロの5番子である
メイショウタバルで今年6月の宝塚記念を制した。
 師は「個人的に乗り役の時から世話になりっぱなしで。全て心に残っています。もう少し恩返ししたかったなと思いますね」と神妙な面持ち。「食事会に招待された時も周りに気を使う優しい方でした。それだけの方でしたから、今はゆっくり休んでください。全てに貢献したのではと思いますし、僕らも頑張って、その活躍を見守ってくれていればと思います」と偉大な故人をしのんだ。