今週末に行われる紫苑ステークス(3歳牝・GII・芝2000m)は、秋華賞
トライアルのオープン特別として、2000年に創設された。つまり、2ちょうど四半世紀。その間に重賞格上げ、GII昇格、そして今年から日曜開催に移った。レースを前に近年、存在感を増す一戦の歴史を振り返りたい。
1996年にエリザベス女王杯が古馬解放され、新設された秋華賞が牝馬三冠の最終戦に指定された。当初はクイーンSが関東圏における
トライアル競走だったが、同レースは00年に古馬解放のうえ、札幌競馬場に移設。そのため、新たに誕生したのが紫苑ステークスだった。当初は芝1800mで行われていたが、07年から芝2000mに延長されている。
長らく格付けはオープン特別のままだった。00年〜15年の間、紫苑S組は秋華賞で【1-0-2-63】とひと息。01年1着のオークス馬
レディパステル、02年2着
シアリアスバイオが続く秋華賞で3着に入ったほか、14年2着の
ショウナンパンドラが秋華賞を制したものの、ローズS組の【11-13-6-99】と比べれば、大きく水をあけられていた。
様相が一変したのは重賞格上げになった16年以降のこと。昨年までの計9回を見ると、ローズS組が【0-2-5-41】なのに対し、紫苑S組は【3-5-0-35】。16年2着の
ヴィブロス、17年1着の
ディアドラ、22年1着の
スタニングローズが秋華賞を制覇し、
ヴィブロス、
ディアドラ、18年1着の
ノームコアはのちに海外G1タイトルを獲得した。トレンドに大きな変化をもたらし、重賞格上げからわずか7年でGIIに格上げされたのもうなずける。
今年の出走馬は13頭。ひと夏を越して、大きく成長を遂げた馬はいるだろうか。桜花賞馬
エンブロイダリー、オークス馬
カムニャックに待ったをかけるような、超新星の登場を期待しながら、レースを見守ることとしよう。