今週の土曜日は、中山競馬場で京成杯オータムハンデ(GIII・芝1600m)が行われます。
過去10年の京成杯AHはすべて秋の中山開幕週に開催されています。開幕週は馬場の傷みが少ない中で行われますので、前残りをイメージされる方も多いのではないでしょうか。しかし、ここ10年の京成杯AHでは意外にも先行力より末脚を生かすタイプに良績が集まっています。
過去10年の京成杯AHでは初角7番手以下の馬が6勝2着6回3着3回となっています。レース序盤は中団から後ろに構えて脚を溜めるタイプに良績が集まっていると言えます。ただ、実際のレースでの位置取りを正確に把握することは困難。そこで前走初角の位置取りに注目してみます。すると、ここでも7番手以下の馬が7勝2着7回3着4回と結果を残していることが分かりました。
前走の時点でスタートから脚を溜める競馬を経験している馬に分があると言えそうです。昨年の京成杯AHで14番人気ながら2着に激走した
タイムトゥヘヴンや23年に8番人気3着の
ミスニューヨーク、22年に12番人気で2着に入った
ミッキーブリランテなども前走の初角では7番手以下にいた馬でした。
開幕週は前有利という印象が強いがゆえに、前走で先行力を示している馬に人気が集まるのでしょう。しかし、実際のレースでは前走で脚を溜める競馬を経験している馬が人気薄で結果を残していますし、今年の京成杯AHでも前走の初角での位置取りに注目すると、思わぬ高配当を手に入れられるかもしれませんね。
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昨年の京成杯AHでは【残った馬】
アスコリピチェーノが優勝。23年の京成杯AHは【注目の穴馬】として取り上げた
ミスニューヨークが8番人気で3着など結果を残しています!
今週もケシウマの【残った馬】&【注目の穴馬】にご期待ください!
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走初角3番手以内で4着以下(ただし、前走GI出走馬は除く)
[0-0-0-14]複勝率0%
該当馬:
シヴァース、
タガノエルピーダ、
タシット(過去の該当馬:15年
アルビアーノ1番人気7着)
※特に言及のない限り、データは過去10年の京成杯AH(計10レース)を対象にしています。
上位人気が予想される
シヴァースが該当しました。
過去10年の京成杯AHでは前走初角で3番手以内にいた馬は34頭が出走し1勝2着2回3着2回。勝率2.9%、複勝率14.7%。回収率も低くなっていて単勝回収率21%、複勝回収率42%と大きな期待はしづらい傾向にあるようです。
前走初角3番手以内で馬券に絡んだ5頭の内、4頭が前走で3着以内と結果を残していました。残る1頭は16年
カフェブリリアント。この馬は前走でヴィクトリマイルに出走。GIはメンバーレベルが高くタフな流れにもなりやすいため、前走で結果を残せていなかったとしても仕方ない面があります。
しかし、前走でGII以下に出走し初角3番手以内から4着以下に敗れている馬には好走例がありません。前走の初角で3番手以内というのは先行力のある証ですが、そこから4着以下に敗れているのは粘り腰に欠けるタイプと言えます。京成杯AHは開幕週での開催で前にいる馬は他馬からのマークも厳しくなりますし、様々な要因が重なって結果が出ていないと考えられます。
該当馬に挙げた
シヴァースは前走初角を3番手で通過し結果は5着。極端に速いペースではなかったにもかかわらず、馬券圏内に踏みとどまれなかったのは物足りなさを感じます。また、2走前のしらさぎSでも初角2番手から10着と大敗していますし、重賞で粘り切れるほどの能力がない可能性も否定はできません。
ここ2走で先行力を見せていることも人気になっている要因のひとつではありますが、粘り腰に欠けるタイプですしあまり多くは期待できない印象です。京成杯AHの過去の傾向や本馬自身の近走の内容、結果からも割り引いて考えるのが妥当と言えるのではないでしょうか。
はたして、ケシウマはどんな消去データを提示してくるのか。重賞レースの参考として、公開中の『
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