秋華賞
トライアルのローズSだが、このレースと本番を連勝した馬は僅かに5頭しかいない。古い方から順に98年の
ファレノプシス、02年の
ファインモーション、05年の
エアメサイア、07年の
ダイワスカーレット、12年の
ジェンティルドンナ。今回は直近の達成者である
ジェンティルドンナが制した12年のレースを振り返る。
ジェンティルドンナは父ディープインパクト、母ドナブリーニ、母の父Bertoliniの血統。母は英G1のチェヴァリーパークSの勝ち馬。全姉の
ドナウブルーは重賞2勝馬だった。2歳11月のデビュー戦は道悪が堪えて2着に敗れたが、続く2戦目から未勝利、シンザン記念と連勝。クラシックの有力候補に浮上した。続くチューリップ賞は体調が整わなかったために4着に終わったものの、うまく立て直して桜花賞でGI初制覇。さらにオークスも圧勝して、同世代の牝馬の頂点に上り詰めた。
そして迎えた秋初戦がローズSだった。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に推された一戦、
ジェンティルドンナは番手で運んだ。そして残り400mで逃げる
サンマルクイーンを馬なりでかわして先頭へ。そのまま後続を突き放すと、2番人気の
ヴィルシーナに1馬身半差をつける完勝。圧倒的人気に応えて4つ目の重賞タイトルを手にした。ちなみにこのレースの馬連170円、馬単230円、3連複420円、3連単800円は全てレース史上最低配当となっている。
さて、今年もローズSには春の活躍馬から夏の上がり馬まで、秋華賞を目指す牝馬が顔を揃えた。どの馬が勝つのか、そして気は早いが13年ぶりにローズSと秋華賞を連勝する馬は生まれるのか。そういった視点でも要注目の一戦となる。