逃げ切りを決めたケリフレッドアスク(左)=撮影・持木克友
「紫苑S・G2」(7日、中山)
若さあふれる果敢な逃げでラ
イバルを封じ込めた。7番人気の
ケリフレッドアスクがまんまと逃げ切りV。西塚とともに、うれしい人馬重賞初制覇を飾った。「直線に入って最後の1Fを過ぎるくらいまで“誰も来ないぞ”と思っていたら、ルメールさんが来た。差されるかと思ったけど、馬がよく頑張ってくれました」と、デビュー4年目の21歳は声を震わせた。
前走はスタートでつまずいたが、今回は完璧なダッシュを決めて先頭へ。前半1000メートル通過60秒1の絶妙なペースを刻んだ鞍上は「2000メートルも向いていた。ペースもこの馬向きだったので勝てて良かった」と胸を張った。
今回で10戦目の相棒だが、そのうち7戦でコンビを結成。「オークスは騎乗停止で乗れなかったけど素晴らしい馬に乗せてもらい、チャンスをモノにできた。オーナー、厩舎関係者に感謝の気持ちでいっぱい」と頭を下げ、「もっと成長する馬。これからにも期待しています」と前を向いた。
シンガポールで吉報を聞いた廣崎利洋オーナーも「この血統で勝ててうれしい」と笑顔。馬名は親しい夫婦が名付け親だったと明かし、「ジョッキーにも“この馬で重賞を勝とう”と言っていました」と喜びの声を上げた。次戦はもちろん秋華賞(10月19日・京都)。10戦目でつかんだ勲章を手土産に、3冠最終戦へ堂々と挑む。