今年のスプリンターズSには23年香港スプリントS覇者の
ラッキースワイネス(
Lucky Sweynesse)が参戦を予定している。「15年ぶりに香港馬の戴冠なるか」はレースの大きなテーマとなるだろう。そこで今回はちょうど20年前、
サイレントウィットネス(
Silent Witness)が香港馬として初制覇した05年のスプリンターズSを振り返りたい。
サイレントウィットネスは父El Moxie、母Jade Tiara、母の父Bureaucracyの血統。豪州生まれのセン馬だった。02年12月のデビューから連勝を続けて、03年と04年の香港スプリントを制覇。05年のチャンピオンズマイルで2着に敗れるまで、無傷の17連勝を記録して、香港のスーパースターとなっていた。そして日本での初戦となった安田記念は3着。そこから4カ月の休み明けでスプリンターズSに挑んだ。
2年前の覇者のデュランダル、連覇を狙うカルストンライトオ、同年の高松宮記念を制したアドマイヤマックスなど、トップス
プリンターがズラリと顔を揃えた一戦。そんな中で
サイレントウィットネスは単勝2.0倍の1番人気に推された。レースはカルストンライトオの逃げを好位で追走。手応え良く直線に向くと、残り100mで先頭へ。脚色は衰えることなく、大外から追い込んできたデュランダルに1馬身1/4差をつけてフィニッシュ。香港馬として史上初のスプリンターズS制覇を成し遂げた。
これが最後の勝利となった
サイレントウィットネスだが、通算18勝、G1・9勝、重賞14勝。まさに「香港の英雄」と呼ぶにふさわしい名馬だった。現在は生まれ故郷の豪州・メルボルンに戻り、功労馬の繋養施設であるリビングレジェンズで余生を過ごしている。