マイルとスプリントの二階級GI制覇 グランアレグリアの勝利から5年

2025年09月19日 08:30

グランアレグリアの引退式(撮影:下野雄規)

 史上最強スプリンターはどの馬か。仮にアンケートを取れば、サクラバクシンオーやロードカナロアが上位に来るのだろう。ただ、この馬を挙げる人も少なくないのではないか。20年のスプリンターズSを鮮烈な末脚で差し切ったグランアレグリアである。今回は稀代の名牝がスプリントGI初制覇を果たした一戦を振り返る。

 グランアレグリアは父ディープインパクト、母タピッツフライ、母の父Tapitの血統。母は米G1・2勝馬という良血だった。3歳時に桜花賞を制覇。4歳を迎えて高松宮記念は惜しくも2着だったが、安田記念でアーモンドアイインディチャンプを倒し、2つ目のタイトルを獲得。夏休みを挟み、秋初戦となるスプリンターズSに駒を進めた。

 高松宮記念覇者のモズスーパーフレアや、GI初制覇を目指すダノンスマッシュを抑え、単勝2.2倍の1番人気に推された一戦。しかし、グランアレグリアはスタートで1馬身ほどの遅れをとってしまう。前半3Fが32秒8というハイペースでもあり、差を詰められないまま、後方を追走。4角でも先頭から10馬身以上の差がある15番手だった。これは苦しい─。多くのファンがそう思ったはずだ。しかし次の瞬間、グランアレグリアの逆転劇が始まった。C.ルメール騎手に導かれて大外に進路を取ると、瞬時に加速。逃げ粘るモズスーパーフレア、抜け出しを図るダノンスマッシュを捕らえると、そのまま突き放して2馬身差の完勝。圧巻の走りでスプリントGI初制覇を果たしたのだった。

 最終的にGI・6勝を挙げて、グランアレグリアは歴史的名牝の地位に上り詰めた。スプリント戦に限ると、結果的にこれが最後のレースとなったが、その圧巻のパフォーマンスは多くのファンの脳裏に焼き付いているに違いない。

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