団野大成騎手(25)=栗東・斉藤崇=が、調整ルーム内で禁止されている通信機器(スマホ)の預け入れを失念し、持ち込んだ事実が判明したとして、20、21日の2日間の騎乗停止処分となることが明らかになった。JRAが10日、発表した。
今月6日の中山競馬最終レース終了後に中山競馬場の調整ルームの空き部屋に残置されている荷物を確認したところ、団野のものであり、その中にスマホが1台入っているのが確認された。使用した事実はなく、悪質性、常習性は認められなかったものの、騎手としての業務上の注意義務を怠ったものと認められるため、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第19号により、2日間の騎乗停止とした。
団野本人に事情聴取したところ、私用と業務用で2台のスマホを所持しており、これまでは2台ともロッカーに預けていたが、5日は調整ルーム入室時刻が決められている午後9時ギリギリになったため、慌てていて業務用スマホを預け忘れた。入室後、他の騎手の部屋に立ち寄り、自室に戻る際に荷物を置き忘れて翌日最終レースまで騎乗していた。ロッカーに預けられていた私用スマホを含めて2台とも調整ルーム入室以降の通信、通話やアプリの使用履歴はなく、過去の履歴も入室義務期間中の使用履歴は確認されなかった。
開催日の調整ルームの通信機器の取り扱いは公正確保の観点から厳しく取り締まっており、違反行為については重い制裁を科してきた。一方、今回の事案は結果としてスマホを持ち込んだという違反行為はあるものの、使用した事実はなく、悪質性、常習性も認められないことから、これまでの事案とは異なるものと考えられるため、裁決委員は2日間の騎乗停止処分とした。
団野は競馬学校35期生で、19年に栗東・斉藤崇史厩舎から騎手デビュー。同期には岩田望、菅原明、斎藤、亀田、小林凌、大塚元騎手がいる。1年目はJRA26勝をマーク。2年目の20年にキャリアハイとなる62勝と大きく勝ち星を伸ばした。
3年目となった21年1月の日経新春杯では、格上挑戦で7番人気の
ショウリュウイクゾに騎乗して人馬とも重賞初Vを達成。22年に30勝と一度は勝ち星を落としたものの、23年の高松宮記念で12番人気の
ファストフォースを勝利に導いて人馬ともG1初制覇を達成するなど、年間50勝と復調を見せた。
24年はマイルCSで
ソウルラッシュを勝利に導き、再びG1制覇を達成。この年はキャリアハイに並ぶ62勝を挙げた。今年もここまでJRA50勝(10日終了時点)を挙げ、4月には同通算300勝も達成。夏の小倉では、重賞の北九州記念(
ヤマニンアルリフラ)を含む日曜メイン3連勝を飾って小倉ターフ賞を受賞。キャリアハイを更新するペースで勝ち星を量産し、好調を維持していた。