久々でもしっかりと態勢を整えたファイアンクランツ(左)=撮影・持木克友
「セントライト記念・G2」(15日、中山)
春G1を席巻した“マジックマン”が再び旋風を巻き起こす。ダービー9着以来の
ファイアンクランツが11日、美浦Wで力強い走りを披露。併せ馬で遅れたものの、モレイラはノープロブレムと太鼓判。精神面の成長を実感し、確かな手応えをつかみながら来日初週の重賞に臨む。
併せ馬の遅れも、名手の
ジャッジは『ノープロブレム』だ。ダービー9着以来となる
ファイアンクランツは、美浦Wで
グランプレジール(6歳1勝クラス)と併せ馬。モレイラが手綱を取り、呼吸を合わせて直線へ。ラストは強めに追って半馬身及ばなかったものの、脚取りは力強く、6F82秒3-37秒0-11秒4とタイムもまずまずだ。
「全体的な雰囲気が良く、とても健康的に感じた。前回乗った時と比べると精神面が間違いなく成長しているね。
リラックスして折り合いもつけやすかった」とモレイラ。「
スピードに乗るまでに時間はかかったけど、長く脚を使うことを確かめることができた。心配はいらない」と手応えをつかんだようだ。また、堀師も「まだ晩成の傾向が強く、牡馬にしてはカイ食いが細いけど」としつつ、「体を減らすことなく調整できた点で心身の
バランスが取れやすくなっている。春の戦績から能力差は少ない」と上々の
ジャッジを下した。
今回は自身の手綱で皐月賞Vへと導いた
ミュージアムマイルが最大のラ
イバルになるが、鞍上は「他の馬のことは考えていない。自分の馬がリズム良く、集中力を保ちながらベストのレースをすることだけ」とキッパリ。短期免許の期間はスプリンターズS(28日)までの3週間。春は高松宮記念、桜花賞、皐月賞とG1・3勝の荒稼ぎだったが、「毎回はうまくいかないもの。一つでも多く勝てるように頑張ります」と気を引き締める。秋もマジックマン旋風が吹き荒れそうだ。