9月23日(祝・火)に浦和競馬場で行われるテレ玉杯オーバルスプリント(3歳上・JpnIII・ダ1400m)。1991年に創設され、05年に1400mへ距離短縮、11年から中央・地方全国指定交流競走となった。優先出走権は無いが、南部杯やJBCスプリントに向けての前哨戦となる。
さきたま杯(JpnI)と同距離のダート
グレードだが、JpnIII戦とあって「斤量」が大きく異なる。3歳52kg、4歳以上54kg、牝馬2kg減を基本に、3歳以降の重賞実績によって負担重量が決まる別定戦。定量のさきたま杯で57kgを背負った
ムエックスや
アウストロ、
ティントレットは今回54kg。ハンデ戦のサマーチャンピオンで55.5kgだった
ハッピーマンは52kgで挑む。予想するうえで、各馬の斤量差も頭に入れておきたい。発走予定日時は23日(火・祝)の18時55分。主な出走予定馬は以下の通り。
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エートラックス(牡4、栗東・宮本博厩舎)
初勝利まで5戦を要したが、1勝クラスを2回で突破すると、
バイオレットS、兵庫CSまで3連勝で初タイトル。その後もダート短距離戦に挑戦を続け、今年の東京スプリントで重賞2勝目を飾った。今回はふたたび、J.モレイラ騎手とタッグを組む。再来日初日にチャレンジCを制すなど、相変わらず手綱さばきが光る名手とともに、さらなる飛躍を誓う。
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ガビーズシスター(牝4、美浦・森一誠厩舎)
馬名は75年桜花賞を大差勝ちした
テスコガビーに由来する。
ガビーズシスターはそんな名牝の背中を追って活躍中。芝の2戦はともに二桁着順だったが、ダートでは8戦5勝、2着1回、3着1回と安定。前走の東京スプリントは5着も、海外帰りの疲れもあったか。今回は1400mへの距離延長がカギとなるが、巻き返して
ビッグタイトルへの足がかりとしたい。
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サンライズフレイム(牡5、栗東・石坂公一厩舎)
デビュー3戦目から、12回連続でダ1400mに出走中のスペシャリスト。直線の末脚勝負がウリのため、そのぶん勝ち味には遅いが、通算14戦して掲示板を外したことはない。重賞も3度挑戦して、3着、4着、5着と毎度見せ場はつくっている。今回こそは初タイトルを狙う。小回りコースへの対応はポイントだが、早めの仕掛けでカバーしたいところ。
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ハッピーマン(牡3、栗東・寺島良厩舎)
新馬勝ちを収め、続く
ヤマボウシ賞は4着も、兵庫ジュニアGPで重賞初制覇を飾る。さらに全日本2歳優駿でも2着と見せ場をつくった。今年はヒヤシンスSで9着、京浜盃が8着と苦戦したが、近2走は0.3秒差2着、0.4秒差4着と安定している。やはり小回りのダ1400mがベスト。52kgの軽斤量で挑める今回は白星をつかみ、今後の活躍につなげたい。
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ムエックス(牡7、船橋・張田京厩舎)
JRAでは3勝クラスで頭打ちも、船橋へ移籍してもうひと花。24年初めから7連勝でA1まで昇級すると、マイルグランプリで2着、今年1月の川崎マイラーズで重賞初制覇を果たした。さらに、5月のオグリキャップ記念で2つ目のタイトルをつかみ、前走のさきたま杯でもしぶとく脚を伸ばし2着。いまの充実ぶりなら、ダート
グレード制覇も夢ではない。
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アウストロ(牡5、浦和・小沢宏次厩舎)
下級条件からコツコツと白星を積み重ね、昨年暮れのゴールドCを制覇。同レースはダート
グレード勝ちがあった
スマイルウィなどを破っての勝利で、一気に株を上げた。今年2月には名古屋の梅見月杯に遠征し、重賞2勝目を飾るなど活躍の場を拡大中。さきたま杯は勝ち馬をマークした分、息切れしたが、マイペースに運べれば巻き返しがあっていい。
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ティントレット(牡4、大井・荒山勝徳厩舎)
3歳時はダート三冠競走にもチャレンジしたが、優駿スプリントを2馬身半差で制して路線シフト。続く北海道SCで3着に入ったほか、今年のさきたま杯では最後まで2番手争いに加わり4着と、ダート
グレードでも善戦を見せている。前走のサンタ
アニタTは10着と崩れたが、距離も少し長い印象があった。1400mに戻す今回は、春以上の結果を目指す。
(文:中川兼人)