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甘くなかった橋木の重賞初挑戦…努力で“頂点”つかみ取れ

2025年09月25日 05:10

デビュー2年目の橋木太希騎手

 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由につづる東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社・出田竜祐(44)が担当する。2週間の札幌出張で、デビュー2年目の橋木太希(19)を取材した。札幌2歳Sのポペットで重賞初騎乗を果たした“ダイヤの原石”。社会現象を巻き起こした映画の主人公に姿を重ね、将来を思い描いた。

 追い切りの動きは文句なし。橋木は自信を持って初重賞に挑んだが、9着に終わった。序盤から力んでしまい、折り合いをつけられなかった。「ポペット自体は“いい馬だね”って言われていたし、向正面からきっちりマークされて…。やっぱり重賞の壁は厚いなと思いました」と回想。初騎乗Vはかなわなかったが「課題が見つかったのはいいこと。改善できれば、またいいところを見せられると思います」と前を向いた。

 1年目はわずか1勝。初勝利はデビュー80戦目と同期の中で一番遅かった。対照的に高杉吏麒は1年目にJRAで48勝、吉村誠之助は既に重賞2勝を挙げている。そもそも橋木は競馬とは無縁の一般家庭で育ち、小学校卒業まで野球一筋。乗馬クラブを経て騎手の道を志した。いわゆる「競馬サークル」出身者をうらやましいと思ったことは少なからずあるようで「血筋がある方が最初から顔が知られているのでどうしてもアドバンテージがあります。でも、何とかいいところを見せていきたい」と必死に食い下がっている。

 その姿が、映画「国宝」で吉沢亮演じる主人公・喜久雄と重なった。歌舞伎という世襲の世界で、後ろ盾がない一人の役者の壮絶な人生を描いた物語。公開108日間で観客動員数1050万人、興行収入148億円を記録した。邦画実写として興収100億円を突破したのは22年ぶり。異例のヒットの背景には、映像美や俳優陣の演技もさることながら、才能や努力は血筋を超越できるか、というテーマがある。

 橋木もまた、同じ問いに向き合う。この夏は北海道に腰を据え、連日調教時間の終了間際まで、調教を依頼された馬にまたがった。これまでなじみの薄かった厩舎との関係構築にいそしんだ。「関東の厩舎を頼まれることが増えたので縁が広がっている感じはあります。いろいろなところから声をかけてもらったり、自分からも積極的に“乗せてください”って言ったりして、僕自身、初めての北海道でしたけど来て良かったです」と笑顔で振り返った。

 「映画はまだ見ていないです」と苦笑いの19歳。そのひたむきな姿を、2週間ボーッと見ていた40代半ばのオッサンは心を揺さぶられた。スクリーンの人間国宝のように、いつか燦然(さんぜん)と輝く“大器”になることを願ってやまない。

 ◇橋木 太希(はしき・たいき)2006年(平18)3月27日生まれ、大阪府出身の19歳。24年3月に栗東・西園正都厩舎からデビュー。同年9月29日の中京6Rシャープソーンで初勝利。25年4月からフリー。JRA通算266戦2勝。

 ◇出田 竜祐(いでた・りゅうすけ)1980年(昭55)9月29日生まれ、熊本県出身の44歳。明大卒。05年入社。文化社会部(05〜11年)、静岡支局(11〜13年)、レース部(13年〜)。文化社会部では芸能班の映画担当。昨年10月から競馬班加入。

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