スガノオージ(96年10月撮影、ユーザー提供:カイザータコスさん)
オールドファンには懐かしい名前だろう。サクラトウコウ産駒のマル地馬として、90年代に重賞戦線を沸かせた
スガノオージである。今回はちょうど30年前、彼が重賞初制覇を果たした95年の毎日王冠を振り返る。
この年の毎日王冠は超豪華メンバーだった。1番人気は同年の皐月賞を制し、日本ダービーで2着だったジェニュイン。2番人気は安田記念2着のサクラチトセオー。他にも後にGI・2勝を挙げるトロットサンダー、ダート女王となる
ホクトベガなど、精鋭が揃っていた。そんな中で人気の盲点となっていたのが
スガノオージだ。単勝60.4倍の10番人気ではあったが、近3戦は新潟大賞典が2着、
エプソムCが2着、札幌記念が3着。既に重賞で勝ち負けできる力は証明済みだったのだ。
重馬場で行われた一戦、
スガノオージは果敢に逃げた。大ベテランの安田富男騎手に導かれ、前半1000m61秒0のスローペースを刻む。それでも不思議と後続は追ってこない。勝負の直線、
スガノオージはラチ沿いで二枚腰を発揮した。後続は揃って伸びひと息。ただ、1頭、好位で脚をためた
ドージマムテキが食い下がってきたものの、最後は突き放してゴール。メンバー中2位タイとなる上がり35秒1を刻み、2着には1馬身3/4差。まるで1番人気馬のような走りで、10番人気の伏兵が初タイトルをつかみ取ったのだった。
あれから30年が経ったが、単勝6040円は
グレード制導入以降のレース史上最高配当として残っている。さぁ、今年の毎日王冠ではどんなドラマが繰り広げられるのか。レースを心待ちにしたい。