記憶に残る快足馬ケイエスミラクル 最初で最後の重賞勝利となった91年スワンS

2025年10月09日 08:30

91年のスワンSを制したケイエスミラクル(91年10月撮影、ユーザー提供:西野花子さん)

 スワンSはマイルCSの最重要ステップレースだが、同時にスプリンターが多く出走するレースでもある。過去の勝ち馬を見ても、サクラバクシンオーやショウナンカンプ、キンシャサノキセキなど、芝1200mのGI勝ち馬がズラリと並ぶ。そんな中、今回はあえて91年の激闘をプレイバック。このレースを外国産馬として初めて制したケイエスミラクルを紹介したい。

 ケイエスミラクルは父Stutz Blackhawk、母レディベンドフエイジヤー、母の父Never Bendの血統。米国生まれの外国産馬だった。明けて3歳となった91年4月にデビュー。ここから約2カ月の間に5戦を走り、3勝、2着2回の素晴らしい成績を残した。その後は夏休みをとり、格上挑戦したセントウルSでは13着に大敗したものの、再度のオープン相手となったオパールSを快勝。勢いに乗ってスワンSに向かった。

 この年のスワンSは好メンバーだった。1番人気は同年の安田記念覇者のダイイチルビー、2番人気は4連勝で阪急杯を制したジョーロアリング、3番人気はGI・2勝の実績を誇るバンブーメモリー。さらに4番人気に重賞3勝のダイタクヘリオスが続き、ケイエスミラクルは上位4頭から少し離れた5番人気だった。

 レースは前半3Fが34秒6の平均ペースで流れた。そんな中、南井克巳騎手に導かれたケイエスミラクルは中団の前寄りを追走。直線に向いて仕掛けられると、鋭い反応を見せた。先行するダイユウサクに内から並びかけると、そのまま先頭へ。最後は1番人気のダイイチルビーに追い詰められたものの、クビ差凌いでフィニッシュ。並み居る強豪を打ち負かし、重賞初制覇を果たしたのだった。

 ここから更なる飛躍が期待されたケイエスミラクルだったが、続くマイルCSではダイタクヘリオス、ダイイチルビーに先着を許し、3着に敗れる。そして年末のスプリンターズSでは最後の直線で競走中止。これがラストランとなった。実質8カ月の現役生活で10戦5勝。まばゆい輝きを放った快足馬の走りを、是非とも心に留めておいてほしい。

新着ニュース

ニュースを探す

ご意見・ご要望

本サービスはより高機能なサービスの提供なども検討しております。お気づきの点がございましたらお気軽に下記フォームよりご意見をお願いいたします。

  • ご意見をご記入ください。

頂いたご意見には必ずスタッフが目を通します。個々のご意見に回答できかねますことを予めご了承ください。
また、連続して複数送信されると、受付できないことがあります。予めご了承ください。