先週から始まった東京、京都の開催。新馬戦で除外が出ていることは先週の当欄でもお伝えしているが、先週も各番組で除外が多数出ている。初日は東京芝1400mが10頭、東京芝1800mが2頭、京都ダート1400mが5頭。2日目は東京ダート1600mが9頭、京都ダート1800mが1頭という状況だった。
いわゆる、この馬たちが翌週以降の新馬戦に出走してくると1回除外され、次は優先的に出走できる「権利持ち」になるわけだが、その頭数が少しずつ増えている。今週は3日間開催でそれが少しは解消される、と言いたいところだが、すでに3日目の東京ダート1600mには20頭以上が出走を予定しており、特定の番組(距離)は権利なしではまず除外、という状況になりそうだ。
【10月12日(日) 京都芝2000m】
◆
ショウナンバンライ(牡、父
オルフェーヴル、母シュガーショック、栗東・松下武士厩舎)
全兄に中京芝2000mで行われたきさらぎ賞を勝った
ラーゴム、半兄にニュージーランドTを勝った
エコロブルーム(父ダイワメジャー)と重賞ウイナーがいる。本馬は2024年セレクトセール1歳にて、2億円(税抜き)で落札されている。
栗東CWでの2週前追い切り、1週前追い切りにはレースでも騎乗を予定している池添謙一騎手が騎乗。2週前追いは6F81.7秒と全体時計が目立ったが、中身が濃いと感じたのは1週前追い。こちらは6F83.2秒だったが、ラスト2Fが11.0秒、11.3秒。このラップが逆であれば、なお良かったのだが、併せていた
バルセシート(
レシステンシアの半弟)を追走して先着という動き。先週金曜日にはゲートの確認作業も行っており、万全の態勢を整えて出走することができそう。
◆
ワンダフルボンド(牡、父
キズナ、母ワンダーオブリップス、栗東・友道康夫厩舎)
半兄に
シンエンペラー(栗東・矢作芳人厩舎)が勝った京都2歳Sで3着の重賞実績があり、現4歳で2勝クラスに在籍する
サトノシュトラーセ(父
ジャスタウェイ)がいる。ちなみに新馬戦は2着だったが、その時の勝ち馬は
ショウナンラプンタ(栗東・高野友和厩舎)。
本馬は5月15日に栗東でゲート試験に合格したことをトレセンニュースでもお伝えしているが、その時から「馬っぷりに関しては、今年の2歳馬でも一番目立つといってもよいくらい」と友道康夫調教師が高く評価していた馬。レースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨ったCWでの1週前追い切りは新馬2頭を最後方から追走して、
アドマイヤクワッズとは同入だったが、
パウワウビートには先着した。ラスト2Fが11.4秒、11.0秒という素晴らしいラップ。兄が果たせなかった新馬勝ちを狙うには十分な動きといってよい。
【10月12日(日) 東京芝2000m】
◆
モンシーク(牡、父スクリーンヒーロー、母エピックガール、栗東・橋口慎介厩舎)
おじに新馬、クローバー賞と連勝した
ニタモノドウシ(父
ディーマジェスティ)がいる血統。母エピックガールは京都芝1200mで未勝利を勝っているが、坂路よりもCWでの追い切りの動きが目立っている印象があるので、ベストはこのくらいの距離なのだろう。
9月24日のCWで6F81.2秒をマークした時点で動くことは分かっていたが、10月2日のCWでの1週前追い切りはそれ以上。松山弘平騎手が跨り、
タイムレスフレアーを追走して先着。6F81.3秒で2週続けて81秒台をマークした上、ラスト2Fが11.4秒、11.3秒でまとめている。橋口慎介調教師も「走ると思います」とかなりの手応えを掴んでいるので、初戦からきっちり結果を出してくれそうだ。
【10月13日(月) 京都芝1600m】
◆
ラブインアクション(牝、父
Nyquist、母My Sweet Girl、栗東・橋口慎介厩舎)
父
Nyquistはデビューから無傷の8連勝でケンタッキーダービーを制覇。デビュー戦でダート1000m、ケンタッキーダービーはダート2000mということで、非常に幅広い距離で勝利を挙げている。
本馬は9月3日に栗東でゲート試験に合格。その後も在厩して調整を続けており、その週末の坂路ではいきなり2F24.8秒をマーク。坂井瑠星騎手が跨ったCWでの1週前追い切りでは新馬を追走して先着。6F81.3秒、3F36.9秒、1F11.6秒をマークしており、数字的にも見た目の印象としても素晴らしい走りだった。調教は抜群なだけに、あとは実戦でどんなパフォーマンスを見せてくれるか。
(取材・文:井内利彰)