◆第27回ジャパンダートクラシック・Jpn1(10月8日、大井競馬場・ダート2000メートル、良)
3歳ダート3冠最終戦、第27回ジャパンダートクラシック・Jpn1が8日、大井競馬場で16頭(JRA7、南関東8、他地区1)によって争われ、3番人気でJRAの
ナルカミ(戸崎)が逃げ切り、4連勝でG1級初制覇。JBCクラシック・Jpn1(11月3日、船橋)への優先出走権を獲得した。3冠制覇が懸かった1番人気の
ナチュラルライズ(横山武)は3馬身差の2着に敗れた。
強豪たちをねじ伏せ3歳ダート最強の座に就いた。
ナルカミはスタートを決めると戸崎の「おのずと行けるのかなと思っていたし、砂をかぶる競馬を避けたかった」との思惑通りハナを奪取。3角から2番手に上がった
ナチュラルライズが迫ってきたが、抜群の手応えのまま直線で差を広げ、堂々と押し切った。20年東京盃(
ジャスティン)以来となる大井での重賞Vとなった鞍上は「しっかり期待に応えるすごく強い走りでした」と破顔一笑。パートナーの首筋を
ポンポンとたたいて、ねぎらった。
素質の高さを改めて証明した。昨年11月のデビュー戦で2着を2秒0も離す大差勝ち。2戦目こそ不覚を取ったが、その後は破竹の4連勝で一気に頂点まで駆け上がった。2冠馬を倒しての
ビッグタイトルに、田中博調教師は「メンバーがそろっていたなかで、どのくらいやれるかと思っていたけど、ホッとしています」と胸をなで下ろした。
今後は古馬の壁に挑むことになる。鞍上が「前走より馬が良くなっていた」と話すように、まだ成長途上。23、24年の最優秀ダートホース、
レモンポップも管理したトレーナーは「これまで預けていただいた馬の中でも特別に心肺機能が高いです。これだけのパフォーマンスですから、次もG1という舞台は間違いないですね。プランはいくつかあります」と明かした。“神”がかった連勝を、まだまだ伸ばしていく。(角田 晨)
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ナルカミ 父
サンダースノー、母オムニプレゼンス(父ディープインパクト)。美浦・田中博康厩舎所属の牡3歳。北海道日高町・ダーレー・
ジャパン・
ファーム有限会社の生産。通算6戦5勝(うち地方2戦2勝)。総獲得賞金は1億4107万1000円(うち地方1億1000万円)。主な勝ち鞍は25年不来方賞・Jpn2。馬主はゴドルフィン。