10月12日からスタートするTBS系日曜劇場「ザ・
ロイヤルファミリー」(夜9時)の監修を務める元ジョッキーの川島信二助手=栗東・庄野靖志厩舎=が、ドラマの魅力について語った。
オースミハルカとの名コンビで知られる川島助手は、原作の小説家・早見和真氏と以前から親交があり、執筆する際、取材を受けて協力してきた。日曜劇場では監修を務め、放送開始前にもセットなどを確認したが、細部のリアリティに驚いたという。
「厩舎のセットを拝見させてもらいましたが、大仲(厩舎従業員の休憩所)が本当にトレセンの中みたい。鼻前(馬房の前のスペース)に馬具があって、寝わらが風に飛んで植栽にかかっている。昭和に建てられたイメージで、よくここまで再現したなと。関係者がうなる出来。美術さんの技術に感銘を受けました」
ジョッキーの佐木隆二郎役の高杉真宙にフォームなどを指導。騎乗時の姿勢の美しさはドラマに向けての練習のたまものと感じ、役者魂に加え、騎手魂も感じ取っていた。
「騎手の姿勢を努力して研究して、モンキー姿勢が本当にきれい。こんなにきれいなのかと思うくらい。実際に馬に乗って駈歩(かけあし)で吹っ飛ばされたようで、プロでも怖いはずなのに、怖いと思っていない。勇者だな。騎手のハートを持っている」
予告動画でも川島助手が「うわっ!」と驚いたのが、目黒蓮が馬に近づき手の甲のにおいをかがせるシーン。馬の人間に対する警戒心を解くためのアプローチを演じ切っている姿は、競馬関係者が見ても、うならされるものになっている。
「馬はプレッシャーを感じるから、なかなか近づいてくれない。『
ナチュラルホースマンシップ』という馬への近づき方も、しっかり演じてくれているのが予告動画から伝わってきます。これを見たときに、ものすごいドラマができあがるのだと思いました」
馬に携わっている者でも驚くほどの美術の完成度。ストーリー、役者の演技はもちろん、細かな映像背景にも着目すれば、さらにドラマは楽しめる。様々な魅力を秘めた作品のスタートに注目だ。
◆「ザ・
ロイヤルファミリー」 税理士事務所を営む父を尊敬する栗須栄治は、父と共に働くことを夢見て、知識と経験を付けるため大手税理士法人に就職。仕事の幅を広げていたが、あることを機に挫折を味わう。そんなどん底の中、馬主の山王耕造との出会いにより、止まっていた人生が動き出す―。山本周五郎賞受賞作。