◆スワンS追い切り(9日・栗東トレセン)
第68回スワンS・G2(13日、京都)の追い切りが9日、東西トレセンで行われ、
アルテヴェローチェが万全の仕上がりを見せた。今後の路線を占う一戦と位置付け、持ち前の
スピードを発揮できる舞台での秋の始動戦に、能力全開で挑む。3日間開催で行われる3重賞の出走馬が確定した。
攻め馬駆けすることは分かっている。それでも、
アルテヴェローチェの動きを見た須貝調教師は笑みを浮かべずにはいられなかった。「メッチャええやん」。その表情は万全の状態で送り出せる手応えに満ちあふれていた。
栗東・坂路で
スカイロケット(5歳オープン)を1馬身半追走。ラスト1ハロン手前まで後ろで我慢させたが、視界が開けてからの加速が俊敏だった。全く無理せず、滑らかなフォームで並び、前へ出る。無駄のない身のこなしで最後まで楽なまま、51秒7―12秒0で1馬身先着。「(体重が軽い)ジョッキーが乗っての時計ではなく、うちの助手が乗っての時計だからね。いい動きだったよ」と何度もうなずいた。
自らの武器を研ぎ澄ます。勝てばマイルCSの優先出走権が入る一戦だが、須貝師は中間に何度も「これからは短い距離にシフトすると思う」と見通しを語った。前走のNHKマイルC(13着)を始め、マイルでは折り合いに苦しみ、本来の力を出し切れない現状。身上の
スピードを生かすべく、7ハロン投入を決断した。
当週に併せ馬を行ったのは昨年末の朝日杯FS以来。前哨戦ではない“勝負気配”が伝わる。「久々だから、きっちりと負荷をかけました。雰囲気が出てきたね」とトレーナー。新たな道筋を照らす大事な一戦へ、万全の仕上げで送り出す。(山本 武志)