大外を豪快に突き抜けたエコロアルバ(右)=撮影・持木克友
「サウジアラビアRC・G3」(11日、東京)
勝ち馬からのちのJRA・G1馬を4頭輩出している“出世レース”。今年は2番人気の
エコロアルバが豪快な大外一気を決めて、無傷の2連勝&重賞初制覇。2着に
ガリレアが入り、
モズアスコット産駒がワンツーフィニッシュを決めた。
上がり3Fはメンバー最速の33秒2。引き揚げてきた坂井が開口一番、「脚、速かったです」と舌を巻くほどの切れ味だった。道中最後方の位置取りには「進んで行かなくて、不安になった」と本音を吐露したが、直線に向いて手前を変えるとエンジン点火。「“もう勝つな”という感じの雰囲気でした。東京のマイルをこなせましたし、千六も全く問題なかった。性格が良くて操縦性もいい馬。今後が楽しみになる内容でした」と素質を絶賛した。
田村師は22年菊花賞(
アスクビクターモア)以来の重賞V。久々のタイトル奪取に「ゲート練習は速かったし、道中はいい位置を取ってという青写真だったが、これはマズいなと(笑)。ピンチでしたが、直線はかなりいい脚を使ってくれた」と笑顔で振り返った。
今後は朝日杯FS(12月21日・阪神)が視野に入るが、師は「こちらが思っているよりも、もっと違った面があるような気がする。ああいう競馬を見せられると、どっちに適性があるのか。ジョッキーとオーナーと相談して決めたい」と
ホープフルS(12月27日・中山)参戦にも含みを持たせた。一体、次はどんなパフォーマンスで驚かせてくれるのか。まさに新時代の“夜明け”を告げる快勝劇だった。