デビュー前から話題になっていた馬がいる。父方の祖母に2007年のダービー馬
ウオッカ、母方の曽祖母に同年の桜花賞などG1を4勝した
ダイワスカーレットを持つ良血馬の
スティルアイライズ(牝2歳、美浦・加藤和)が18日、東京4Rの新馬戦(芝1400メートル、牝馬限定)でデビューし、18着に終わった。
父は
タニノフランケル、母は
スカーレットテイル。父は重賞には手が届かなかったものの、G1・7勝の名牝
ウオッカの4番子という血統が評価されて種牡馬となった馬だ。08年天皇賞・秋では、
ウオッカと
ダイワスカーレットが激戦の末、2センチ差で
ウオッカが勝利したという歴史があり、ラ
イバルの名牝2頭の血を引く牝馬のデビューが待ち望まれていた。
デビュー戦の手綱を握った遠藤汰月騎手(19)=美浦・伊藤伸=は「これだけ多くのファンがいて注目度もありましたし、パドックでも通るたびにシャッター音がしました。愛されている馬に乗せていただいて感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。自身のインスタグラムのストーリー機能で同馬をアップするほどかわいがっている鞍上は「性格もいい子。馬房でもすごくかわいい子で、真面目に最後まで一生懸命走ってくれていた。またチャンスがあれば乗せていただきたい」とラブコールを送った。管理する加藤和師も「経験して力をつけてくれれば。これでガラッと変わってくれれば次も楽しみ」と目を細めた。
出生時は通常の子馬の半分程度の体重で誕生し、愛称は「まめちゃん」。競走馬になることさえ危ぶまれていたと、馬主である仔馬カメラ株式会社の公式Xが公表し、話題となっていた。この日の馬体重は426キロ。健気なまめちゃんの走りに、府中が温かい拍手に包まれていた。