◆第28回富士S・G2(10月18日、東京・芝1600メートル、良)
第28回富士S・G2は18日、東京競馬場の芝1600メートルで行われ、3番人気の
ガイアフォース(横山武)が、2番手から直線で抜け出して重賞2勝目を挙げた。G1馬3頭を破っての勝利で、ダートでも活躍する二刀流は、優先出走権を獲得したマイルCS・G1(11月23日、京都)を目指す。
2番手から先頭に立った
ガイアフォースの直線、背後には国内1600メートル無敗の
ジャンタルマンタルがいた。抜群の手応えで抜け出すタイミングを図るG1馬に、最後まで前に出すことを許さない粘り腰で半馬身差で勝利。横山武は「ジャンタルも59キロでハードだったと思うんですけど、それでも追い詰められて。強い馬だなと思って追ってましたけど、よく頑張ってくれました」とパートナーとともに相手の強さをたたえた。
ジャンタルマンタルの他にも、
ソウルラッシュ、
シャンパンカラーとG1タイトルを持つメンバーを相手に、22年セントライト記念以来となる約3年ぶりの美酒。鞍上の好判断が逆転劇につながった。
前走の安田記念は
ジャンタルマンタルの後ろから運んで1馬身半差の2着だったが、今回は後ろにラ
イバルを従えて直線へ。杉山晴調教師は「番手につけて思ったより前、前で。馬場も読んでくれたと思うんですけど、ジャンタルの後ろに行くのかどうかは武史騎手の判断で。あのような形になるとしぶといですね」。初騎乗で持ち味を存分に引き出した鞍上を評価した。
24年フェブラリーSも2着で、芝とダートで結果を出す二刀流。今後はさまざまなプランが選択肢に入りそうだが、指揮官は「これで胸を張ってマイルCSに行けます」と力強く宣言。横山武も「G1でもチャンスがある馬」とトップクラスのポテンシャルを感じ取る。昨年のマイルCSは6歳の
ソウルラッシュが待望のG1初制覇。完全に勢いを取り戻したベテランがマイル界の頂点を見据える。(浅子 祐貴)
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ガイアフォース 父
キタサンブラック、母ナターレ(父クロフネ)。栗東・杉山晴紀厩舎所属の牡6歳。北海道安平町の追分
ファームの生産。通算成績は19戦4勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は3億7334万4000円(うち海外0円)。主な勝ち鞍はセントライト記念・G2(22年)。馬主はKR
ジャパン。