「菊花賞・G1」(26日、京都)
22年以来、3年ぶりに皐月賞馬とダービー馬不在で行われる牡馬クラシック最終戦。V争いが混とんとするなか、
トライアルの神戸新聞杯を圧倒的パフォーマンスで制した
エリキングが主役へ名乗りを上げた。Vデータも唯一完全にクリア。デビュー3連勝を決めた逸材が、3冠ラストで王座に君臨する。
トライアルレースを完勝の内容で制した
エリキングが主役の座を担う。
新馬-野路菊S-京都2歳Sを3連勝。危なげのないレースぶりで、早い段階から一級品の素質を見せつけてきたが、その後に右第1指骨の?離骨折が発覚した。約5カ月の休養を余儀なくされ、復帰戦はクラシック初戦の皐月賞。後方から見せ場すらつくれず、初黒星(11着)を喫した。ただ、続くダービーでは発馬で立ち遅れて後方を追走する形となりながらも上がり最速の脚で5着まで追い上げ、改めて世代上位の力を証明した。
夏場をじっくりと休養に充て、迎えた始動戦の神戸新聞杯。道中は中団やや後方でじっくりと構え、直線に向いて川田の
ゴーサインを受けると、メンバー断トツの上がり3F32秒3という豪脚を繰り出し、先に抜け出した
ショウヘイをきっちり競り落とした。
これこそが“キング”の走り。「先を見据えて若干は余裕残しのつくりで臨んだ前走でした。遅い流れで決して展開が向いたとは言えないなかでも、外からしっかりと差し切る強い競馬ができた」と福永助手。万全ではない状態、状況でも改めて真価を発揮した。
1週前追い切りは中内田師がまたがり、栗東CWで6F80秒9-37秒2-11秒7を馬なりで楽々とマーク。「体調、状態の良さは確認できています」とうなずく同助手。「距離に関しては走ってみないと分からないところはあるけど、それはどの馬にとっても同じ条件。上積みを持った状態でレースへ臨み、うまく対応してくれることを期待しています」と目を細める。本格化を遂げ、いざ大舞台へ。王者への道は既に切り開けている。