ついにベールを脱ぐ。26日の京都5R(芝1800メートル)でデビューする
エムズビギン(牡、栗東・友道厩舎)は昨年のセレクトセールで国内2位の5億9000万円で落札された
キタサンブラック産駒。
バランスのいい黒鹿毛の馬体からは高い素質が伝わる。
母デルフィニア2は欧州G1で2着が2回あり、兄に今年のシンザン記念を勝った
リラエンブレム。21日の
ミックスセールでは全弟に4億6000万円がつくなど母系は注目を集めている。夏に北海道でゲート試験を受けた後、早い段階でここを目標に定め、栗東で約1か月半乗り込んできた。
「牧場で緩いところがあったので早めに入れました。ゲートの頃は硬いという話だったけど、乗るたびに柔らかみが出てきましたね」と友道調教師は上昇度を感じ取る。16日の芝コースでは実戦でも騎乗するルメールが手綱を執り、6ハロン81秒3―11秒6をマーク。「先週は重かったけど、能力はありそう」と手応えをつかんでいる。
菊花賞デーの新馬といえば「伝説」と言われるほど勝ち馬からG1ホースが出ている。友道厩舎でも
アンライバルド、
ワールドプレミアが勝っている一戦。ここを使うことこそ、高い期待値の証しと言える。「芝の中長距離が合うと思う。追ってから伸びそうです」と友道師。来春へつながる勝利をつかみ、偉大な先輩たちを追う道のりが始まる。(山本 武志)