「菊花賞・G1」(26日、京都)
未知の可能性を秘めた良血馬が、クラシックの大舞台で輝きを放つ。夏の札幌で連勝を飾り大舞台へ駒を進めてきた
ミラージュナイト。母は14年エリザベス女王杯を制した
ラキシスだ。確かなDNAを受け継ぎ、春から夏へ着実に成長を遂げてきた。満を持して迎える淀の長丁場で、一気にスターダムを駆け上がる。
母がひときわ輝きを放った秋の京都で、G1の頂を狙う。夏の札幌で1、2勝クラスを連勝した
ミラージュナイトが、最後の1冠へと満を持して歩を進めてきた。
母は辻野師が角居厩舎の助手時代に携わった、14年のエリザベス女王杯覇者
ラキシス。走法や体つきから母と同じ中距離タイプと判断したというトレーナーは「最初はへにゃへにゃした状態で新馬戦2着。『走るな』と思いましたね。そこから徐々に頼りなさが抜けて、走りの質自体が上がってきた。今の感じなら夏の連勝もうなずけますし、秋になって芯の入った走りになった」と本格化の兆しを感じ取る。
その母子を最も間近で手掛けたのが滝川厩務員だ。母はカイ食いが細く体質も弱かったため、素質を開花し切れず5歳秋で引退。「角居厩舎が解散して
ラキシスの子もやることはないと思っていたら、オーナーさんが入れてくれた。何とかその子は走らせてあげたい」と思いは強い。
瞬発力が身上だった母とは違い、息子は大きいス
トライドで走り息の長い末脚が使える。「カイ食いもいいし、タイプは全然違う。
ラキシスは強かったけど、この子は柔らかい。ただ走る時はしなやか。打点が高くて跳ねるところ、バネは似ているんでしょうね」と素質の高さは受け継いでいる。
枠順は3枠6番に決定。辻野師は「偶数番で絶好枠です。ジョッキーに聞いても『いい所を引けた』と言ってもらえたので良かったです」とうなずき、「この母の子らしく完成はまだ先でも思ったより早くしっかりしてきましたね」と期待する。母子G1制覇の夢に挑む。