坂路で追い切ったマスカレードボール(左、右はソールオリエンス)(カメラ・荒牧 徹)
◆第172回天皇賞・秋・G1(11月2日、東京競馬場・芝2000メートル)追い切り=10月30日、美浦トレセン
ひと夏を越して頼もしさが増してきた。日本ダービー2着以来となる
マスカレードボールは、美浦・坂路で前を行く
ツルマウカタチ(4歳2勝クラス)、後ろから追う
ソールオリエンス(5歳オープン)の真ん中から力強く加速した。一杯に追って4ハロン53秒2―11秒8をマークして、
ソールオリエンスとぴったりと馬体を併せてフィニッシュ。手塚久調教師は「いい感じに仕上がった。息遣いや馬の雰囲気を見ると、しっかりとできているなと感じます」と満足そうだ。
前走の日本ダービーでも同じく美浦・坂路で最終追いに騎乗した嶋田(レースはルメール)も、気配の良さに太鼓判を押す。この中間は美浦・坂路での2週前追い切りでも手綱を執っており、「追うごとに変わってきて、動きは断然良くなった。ダービーの時もいいと思っていましたが、今回も同じ感覚です。気持ちの面は良くなっている」と、以前から課題だった精神面が大人になりつつあるという。
それでもメンタル面への配慮は万全を期した。レース当週の木曜に追い切るのは初めて。手塚久師は「先週の日曜日が少し強めの調教で、いつもより内容が濃いものだったので、追い切りをする間隔を1日空けた方がいいという判断」と、精神状態が煮詰まらないように意図した采配だった。
7番枠は過去3年連続で勝ち馬が出ており、2000メートルとなった84年以降で最多6勝の“絶好枠”。大村助手は「縁起のいい枠でいいですね。スタートも五分に出られますし、相手を見ながらいい位置につけられそう」と笑顔で歓迎した。G1初制覇へ、調教から本番に向けて道筋がはっきりと見えてきた。(坂本 達洋)