「天皇賞(秋)・G1」(2日、東京)
やはり、この男には逆らえないのか。秋の盾を射抜いたのは、絶好調ルメールに導かれた1番人気の
マスカレードボール。直線半ばで堂々と抜け出し、22年
イクイノックス以来、史上6頭目の3歳馬Vを成し遂げた。ルメールは秋華賞(
エンブロイダリー)、菊花賞(
エネルジコ)に続くG1・3連勝。加えて、天皇賞・秋は直近8年で6勝目となった。2着は同じ3歳馬の3番人気
ミュージアムマイル、3着には8番人気の
ジャスティンパレスが入った。
3番人気
ミュージアムマイルは2着。初対戦となった古馬を相手に皐月賞馬の実力を示したものの、過去1勝1敗だった同世代の
マスカレードボールにはわずかに届かず無念さが残る結果となった。
道中は
マスカレードボールの直後のポジション。直線では
クイーンズウォークの内に入った
マスカレードに対して、大外に持ち出して
ゴーサイン。懸命に前を追った。しかし、上がり3F32秒3という瞬発力を駆使しても、差し切るまでには至らなかった。昨年末の朝日杯FS以来のコンビとなったC・デムーロは「切れるというより、じりじり加速する感じだったが、直線はいい脚を使ってくれた」と振り返った。
高柳大師は「思ったより後ろの位置取りになった。ペースが遅かったのもあって、あの位置では苦しかった。最後はしっかり脚を使ってくれたが…」と0秒1差の惜敗に肩を落とした。それでも、左回りで初の連対を果たし「左回りも府中の直線も問題なかった」とトレーナーは前を向いた。年内のプランは未定だが、この悔しさは必ず晴らしてみせる。