絶対王者
ベルピットが君臨する中距離路線とは異なり、ス
プリント路線は混戦模様だ。昨年の勝ち馬
スペシャルエックスに、今季エトワール賞とポラリスサ
マースプリントを制した
デステージョ、
グランシャリオ門別ス
プリントを連覇した
ストリーム、そして今回の前哨戦である
ウポポイオータムス
プリントを勝利した
キャンディドライヴ。これらの古馬勢に加え、
ベラジオゼロ、
ミラクルヴォイスという伸びしろ豊かな3歳馬も参戦し、非常に多彩な大一番となった。
どの馬が勝ってもおかしくないが、個人的には
キャンディドライヴを中心視した。特筆すべきは門別再転入2戦目、2走前のクラスターカップでの好走だ。2番手で流れに乗る正攻法の競馬で、
サンライズアムールにクビ差まで詰め寄った内容は、明らかにフロックではなく地力のなせる業である。続く前走、
ウポポイオータムス
プリントで
デステージョや
ストリーム以下を退けて勝利したのだから、コースや砂の違いも不問ということになる。JRAでは3勝クラスでやや頭打ちという成績だったのだが、ここにきて隠れていたポテンシャルが開花したようだ。6歳での覚醒を支持したい。
復活の狼煙を上げた栄冠賞馬、
ベラジオゼロが脅威だ。約1年の戦線離脱から今年7月に復帰して以降、重賞レベルで善戦を続けてはいたものの、本来のパフォーマンスではなかった。ただ、1分12秒8という自己ベストタイムで逃げ切った前走は本物である。ネックだった馬体の重さが解消されたことが、復調の一因だろう。完全復活となれば、歴戦の古馬を一蹴する可能性が十分にある。
デステージョは極端に揉まれ弱いタイプだから、外目の枠を引けたのが好材料。
ストリームは、初のブリンカー着用が形勢逆転の鍵を握る。
スペシャルエックスに関しては、長欠明けの前走を勝利したものの、内容はやや平凡。2戦目でどこまで上向くかがポイントだ。休み明けの
ミラクルヴォイスも少し割り引いて考えたが、時計は足りる馬である。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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