京都市伏見区の藤森神社で10日、競馬と馬を愛する人びとの集い「
シンシン祭」が行われた。
藤森神社は菖蒲の節句発祥の地とされ、音が同じ「勝負」に通ずるため、古くから勝ち運の信仰がある。また、5月の藤森祭で「駈馬神事(かけうましんじ)」という、馬が登場する伝統奉納が行われることもあり、勝負と馬の結びつきで「馬の神社」として有名。境内には馬像が置かれているほか、自動販売機にも馬が描かれ、絵馬堂には馬主から勝利記念に奉納された競走馬の絵が飾られている。一年を通じ、数多くの競馬関係者やファンが参拝に訪れる。
毎年11月の第2または第3月曜日に実施している「
シンシン祭」は1996年に始まり、人馬の安全、安泰や競馬界の繁栄を願う。今年も競馬関係者、一般参列者が見守る中、厳かな雰囲気で執り行われた。
実家が神社のすぐ近くという菱田裕二騎手は、「中学生のころ、毎日学校帰りに藤森神社で、騎手になりたいと願っていた。自分にとって特別な場所」と明かし、「
シンシン祭に参列させていただくと、初心に帰るというか、騎手を志したころを思い出しますね」と感慨深けだった。
(文:中川兼人)