2歳G2「第60回デイリー杯2歳S」が15日、京都競馬場で行われ、坂井瑠星(28)騎乗の1番人気
アドマイヤクワッズが内から差し切り、重賞初制覇を飾った。勝ち時計1分33秒1は2歳コースレコード。友道厩舎は18年
アドマイヤマーズに続く当レース2勝目となった。国内外のマイルG1・3勝を挙げた偉大な先輩の背中を追い、今後は朝日杯FS(12月21日、阪神)を目指す。
直線で西日に照らされた
アドマイヤクワッズの勝負根性が光った。残り250メートル、単勝2・6倍で並んだ
カヴァレリッツォの内から馬体を併せると、ゴールまで激しい叩き合いが続いた。最後の最後で頭差グッと前に出たクワッズに軍配。昨年の
ランフォーヴァウに続く当レース連覇を飾った坂井は「初戦から非常に期待していた。使って順調に良くなっていましたし、力通りだったと思う」とパートナーの素質を評価した。
道中は後方に待機。直線で先行勢が進路を外に求めた隙を突き、インから押し上げた。鞍上は「この馬のリズムで運んだ。反応は凄く良かった」と回顧。勝ちタイム1分33秒1は、13年
ホウライアキコが記録した2歳コースレコードを0秒1更新。3着馬を5馬身突き放す一騎打ちを制し、重賞タイトルを手にした。
鞍上はみやこSに続く2週連続重賞制覇。米BCクラシックで世界の頂点に立ったホープの勢いは止まらない。JRA重賞は25勝目だが、友道厩舎とは12度目のタッグで初勝利。「友道厩舎にはたくさん乗せていただいていて、初めて重賞を勝てた。オーナーにもたくさん乗せていただいている。そのチームで勝ててうれしかった」と感謝した。
東京の新馬戦に続く連勝を飾り、将来は明るい。当レースは過去8年の勝ち馬のうち4頭がG1馬に出世。厩舎の先輩
アドマイヤマーズもその一頭だ。友道師は「今日はテンから楽に追走できていた。違うコース、違う条件をこなしてくれて収穫が大きかった」と目を細めた。偉大な先輩と同じ道をたどるべく、次に向かうのは朝日杯FS。坂井は「初戦、2戦目といい内容。上のクラスでもやれる力がある」と意気込んだ。“チーム・
アドマイヤクワッズ”の冒険は始まったばかりだ。
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アドマイヤクワッズ 父
リアルスティール 母デイトライン(母の父ゾファニー)23年1月23日生まれ 牡2歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・近藤旬子氏 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4580万8000円 馬名の由来は冠名+4枚の同じ数字のカードがそろった強力な役(
ポーカー用語)。