カヴァレリッツォ(右)とのマッチレースを制したアドマイヤクワッズ(撮影・石湯恒介)
「デイリー杯2歳S・G2」(15日、京都)
新星誕生だ。1番人気の
アドマイヤクワッズが力強く伸びて2歳コースレコードで無傷2連勝を決め、重賞初制覇を飾った。2着は2番人気の
カヴァレリッツォで、3着は7番人気の
アイガーリー。中京2歳S覇者で3番人気の
キャンディードは、鼻出血を発症して最下位の8着に敗れた。
秋晴れの淀でスター候補がまた1頭誕生した。ゴール前での激しいたたき合いを制し、ひときわ色濃く輝いたのは1番人気の
アドマイヤクワッズ。
リアルスティール産駒の素質馬が2連勝で重賞タイトルを手に入れた。
高らかと右手を挙げ、検量室前に引き揚げてきた坂井。昨年の
ランフォーヴァウに続き、連覇を果たした鞍上は「友道厩舎の馬にたくさん乗せていただいていますが、重賞を勝つのは初めて。うれしいです」と言葉の一つ一つに熱がこもる。「オーナーさんにもよく乗せていただいていますし、このチームで勝つことができて良かったです」。込み上げてきた素直な思いを笑顔で口にした。
ゲートを五分に出ると焦らず後方2番手をじっくり追走する形に。直線に向き、迷わずインを選択すると、一気に
ギアチェンジ。温存していた豪脚を全て解放し、先に抜け出した
カヴァレリッツォとの力比べを頭差制した。勝ち時計の1分33秒1は2歳コースレコード。「この子のリズムで運び、反応もすごく良かったですね。いい勝負根性を見せてくれました」と相棒の走りをたたえた。
友道師は安どの表情を浮かべ、「初めての当日輸送、コースに条件といろいろなことをクリアしてくれた。勝負根性も改めて確かめられました」と愛馬の能力の高さに感服した様子だ。今後は、馬の状態を確かめながら朝日杯FS(12月21日・阪神)に照準を合わせることになる。大きな一歩を踏み出した若駒がこれからどんな物語をつむぐのか-。目が離せない。