新潟記念を制したシンリョクカ(右)=2024年9月
24年の新潟記念を制した
シンリョクカ(牝5歳、美浦・竹内)が20日付で競走馬登録を抹消し、現役を引退することが決まった。16日エリザベス女王杯(京都)13着がラストランとなった。今後は生まれ育った北海道日高町の下河辺牧場で繁殖牝馬になる予定。
竹内正洋調教師は「エリザベス女王杯である程度いい結果が出れば、有馬記念にという話もありました。ただ、厳しい結果でしたし、牧場に返す仕事もあるので。無事に返せることになって良かったです。2歳の頃から調教も動けていたし、心配なところもあったけど、体質も強くなって重賞も勝ってくれました。また、子どもに携われる日が来たらうれしいですね」と話した。
竹内師にとっても
シンリョクカは思い入れの深い1頭だ。「
シンリョクカと同世代に
ギョウネン(同じく下河辺牧場生産、由井健太郎オーナー所有馬)という牝馬がいたのですが、レース中の事故で予後不良になってしまい、ずっと申し訳ないと思っていました。ですから、この子(
シンリョクカ)は何とか無事に、という思いでした」と述懐する。
シンリョクカも24年4月の福島牝馬Sで競走中止のアク
シデントがありながら、次走の新潟記念で重賞勝ちを果たしただけに感慨深い勝利となった。
お利口さんだという
シンリョクカ。G1初出走だった22年の阪神JF(2着)出走時には、当時幼稚園生だった由井オーナーの娘さんが、木幡初也騎手=美浦・竹内=へ「初也くん、乗ってくれる?」と直接電話をかけた『かわいすぎる騎乗依頼』がきっかけで主戦騎手へとなった経緯が話題になったことも。木幡初にとっては昨年の新潟記念が自身のJRA重賞初制覇となった。