地方競馬の調教師試験に合格し騎手引退を表明していた宮下瞳騎手(48)の記者会見が26日、名古屋競馬場外向発売所で行われた。
6R(7着)で最後の騎乗を終え「手綱が取れてしまう事故があったんですけど、無事に騎乗を終えることができて、ホッとしています」と笑顔で答えた。
来月1日から調教師に。「調教師を目指したのは今年の4月に靱帯(じんたい)を痛めて100%の騎乗ができなくなった。長男が騎手になりたいと話してくれたのでサポートしたいと思い調教師を目指した」と息子と一緒に騎手をやることが夢だったが、息子をサポートもできる調教師の道を選んだ。
後輩の女性騎手には「当時は騎手がたくさんいて馬になかなか乗らせてもらえなかった。今は女性騎手もチャンスをたくさん頂けるし、男性と同等に戦える場所だと思う」と女性騎手の第一人者としてエールを送り「人が集まる明るい厩舎をつくって名古屋競馬場が盛り上がるような馬をつくっていきたい」と話した。
宮下厩舎の初出走は「年末に馬が入居して1月の中旬くらいになりそう」と話し、厩舎が落ち着いたら「女性騎手も育ててみたい」と夢を語った。将来、宮下瞳の息子と弟子が戦う日が来るかもしれない。
◇宮下 瞳(みやした・ひとみ)1977年(昭52)5月31日生まれ、鹿児島市出身の48歳。95年9月29日に騎手免許を取得し、同年10月22日デビュー。10月24日に初勝利。2011年8月16日に騎手免許返納後、16年8月1日に再取得。通算成績は1万5479戦で日本の女性騎手最多となる1382勝。1メートル52。血液型A。