今年の年末、競馬ファンは忙しくなりそうだ。
12月28日が有馬記念、12月29日が東京大賞典。この2つのビッグレースが連日開催となるのは2014年以来11年ぶりのことだ。ちなみに、12月27日はホープフルSなので、史上初の3日連続GI開催となる。
有馬記念は中山芝2500mで行われる。3コーナー手前にスタート地点があり、6つのコーナーを回りつつ高低差のある坂を上り下りし、最後の直線はわずか310mしかないという癖のあるコースだ。スタミナ、
パワー、
スピードの持続力が問われ、基本的には前に行った馬が有利となる。
注目したいのは、今年の宝塚記念を逃げ切った
メイショウタバル。父はステイゴールド系の
ゴールドシップで、ステイゴールドは有馬記念に滅法強い種牡馬だ。09年
ドリームジャーニー、11年と13年の
オルフェーヴル、12年の
ゴールドシップで計4勝している。
ゴールドシップが勝った2012年は、2着馬
オーシャンブルーもステイゴールド産駒だった。
種牡馬となった
ゴールドシップはスタミナや中山適性を伝えて成功しており、有馬記念に対する適性も高いだろう。中山芝2500mでは
マイネルエンペラーが25年日経賞を制覇している。
有馬記念を勝ったステイゴールド産駒3頭はいずれも宝塚記念を勝った実績がある。両レースは好走に必要な
ファクターが似ており、スタミナ、
パワー、
スピードの持続力に秀でた馬が有利だ。
メイショウタバルは宝塚記念の勝ち馬で、そうした特長を備えている。東京コース向きではないにもかかわらず、前走の天皇賞・秋は6着と踏ん張った。有馬記念では見違えるような好走が期待でき、馬場が渋ればさらに有利だろう。
東京大賞典が行われる大井ダート2000mは、地方競馬場のなかで最も直線が長く、386mもある。したがって展開のまぎれが生じにくく、純粋に馬の能力で勝負が決まりやすい傾向が見られる。2010年以降、
オメガパフュームの4連覇を筆頭に、
スマートファルコン、
ホッコータルマエ、
ウシュバテソーロが2連覇を果たしている。昨年の優勝馬
フォーエバーヤングがもし出てくれば楽勝するだろうが、残念ながら今年は出走予定がない。
注目したいのは
ミッキーファイト。父
ドレフォンは11月26日現在、2025年の総合ダート種牡馬ランキング(中央+地方)で第1位であり、その最大の
ポイントゲッターがこの馬だ。今年は、JBCクラシック、帝王賞、
アンタレスSと3つの重賞を制覇しており、
ドレフォン産駒のなかで最高傑作といえる存在だ。
大井ダート2000mは過去2戦1勝。25年帝王賞を制し、24年ジャパンダートクラシックでは2着となった。後者は相手が
フォーエバーヤングだったので致し方ない。1馬身1/4差は、国内戦無敗の
フォーエバーヤングにとって最も小さい着差であり、
ミッキーファイトの能力の高さがうかがえる。
コース実績があり、なおかつチャンピオンズCを
スキップして万全の態勢で臨む今回は、死角らしい死角が見当たらない。
(栗山 求)
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